27日放送予定のABCテレビ・テレビ朝日系「新婚さんいらっしゃい!」(日曜、後0・55)は、鹿児島県・屋久島の隣に浮かぶ口永良部島に住む新婚さんが登場する。
度重なる噴火で形作られた火山島で、島へ渡る手段は屋久島から1日1便のフェリーのみ。現在の島民は88人という、まさに絶海の孤島。そんな口永良部島で、2歳の娘と3人で暮らす33歳同士の夫婦が住む。
夫婦が営むのは島で唯一の弁当店「港のとと屋」。2年前にオープンし、現在は予約制で日替わり弁当などを販売している。島には飲食店がなく、給食のない時期には学校の先生も頼りにする大切な存在だ。一方、営業を終えた夫は素潜り漁師に変身。険しい岩場を越えて海へ入り、水中銃で魚を仕留める。獲った魚はメンチカツなど、弁当のおかずにもなる。
家族でよく過ごすのは、波の穏やかな近所の海岸。生き物探しや自然観察が好きな娘を見守りながら、妻は「家から歩いて海に来られるだけでも最高」と笑う。
実は夫婦ともに島外からの移住者。東京出身の夫は仕事につまずき、地域おこし協力隊への応募をきっかけに6年前に移住。群馬出身の妻も、新潟でデザイナーとして働いたのち、仕事や人間関係に悩み、「人が少なくて海が近いところ」を求めて5年前に口永良部島へやって来た。
人口88人の島では、若い女性が移住してくるという情報も瞬く間に広まる。夫も「興味ないですよ」という顔をしながら、妻が到着する日にちゃっかり港へ。フェリーから降りてきた姿を見て「あの子だな」と確認したという。そんな2人の最初の会話は妻が1人、港で釣りをしていた時。夫は「これはチャンス」と近づき、「魚釣れてますか?」と声をかける。
その後、夫は獲れた魚を持って妻のもとを訪ね、「一緒に夕飯食べませんか?」と誘うように。島では誰かの家で一緒に食事をするのが日常的で、妻も最初は心強い友人ができたと純粋に喜んでいた。ところが訪問は週1回から3日に1回、ついには毎日に。休日も釣りやウクレレなど何でも一緒に楽しみ、気づけば半同棲状態になる。
しかし、ここで大問題が発覚。これだけ一緒に過ごしているのに、2人はまだ付き合っていなかった。妻はいつかきちんと告白されると思っていたが、夫から出た言葉はまさかの「ちょっと距離を置こう」。夫は「付き合うなら結婚前提じゃないと無理」と言う一方、今は結婚する気がなく、「まだ他の女性とも知り合いたい」という本音まで飛び出す。妻は「マジ、クソな男なんですよ」と怒り心頭。夫の先輩漁師にも怒りをぶつけ、2人は距離を置くことになる。
ところが1週間後、妻の家に軽トラで現れた夫が持ってきたのは、まさかの“茄子の揚げ浸し”。「ご飯はちゃんと食べてほしいから」と届けに来たという夫に、MC藤井隆も「せめて魚やろ!」と猛ツッコミ。妻はまだ腹を立てていたが、「来てくれた」ことがうれしく、2人の距離は再び縮まっていく。
2人の関係の転機となったのは夫のケガ。島の仕事で杉の伐採を手伝っていた際に滑落し、右肩を脱臼。利き腕を固定され、身の回りのこともままならない夫のもとへ妻が駆けつけ、食事や着替えなどを世話する。そこで夫は楽しい時だけでなく、困った時にも支えてくれる妻の存在の大きさに気づく。半同棲状態から約1年半、ようやく夫が告白し、2人は正式に交際を始める。
すると結婚までは一気に加速。交際開始からわずか2カ月ほどで、夫は自宅で「これからもずっと一緒にいるつもりだから、結婚してほしい」とプロポーズ。あまりにあっさりした言葉に、妻は拍子抜け。だが夫は、さらにサプライズを用意していた。
当時、地域おこし協力隊として月1回、地元ラジオに出演していた夫はその日の放送を一緒に聴いてほしいと妻を海の見える港へ連れ出す。番組でリクエストしたのは福山雅治の「家族になろうよ」。放送の中で、夢を持って前へ進めるのは日々支えてくれる妻のおかげだと語り、「今日プロポーズをしようと思い、この曲を選びました」と宣言する。
曲が流れたあと、夫は改めて「これまで一緒にいてくれてありがとう。これからもずっと一緒にいてほしい。結婚してください」と真正面からプロポーズ。思わぬサプライズに妻は涙し、「こんな素敵なことって起こるんだ」と感激したという。移住先の小さな島で出会い、半同棲なのに恋人未満、さらに一度距離を置くという紆余曲折を経て結ばれた2人。いまは娘と3人、口永良部島の海と自然に囲まれて暮らしている。