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くも膜下出血で後遺症のある車椅子の花嫁、トランスジェンダーのソロウエディング...多様性の時代にNoと言わないプランナー

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
ウエディングプランナーの岩田美生さん
ウエディングプランナーの岩田美生さん

 「Noとは言わないフリーウエディングプランナー」として知られる岩田美生さん。これまで一般的な結婚式場では実現が難しかった結婚式を数々手がけ、形にしてきた。既存の結婚式場などで実施が難しいと言われ、岩田さんのもとにたどり着く新郎新婦も少なくない。

 報道番組でも話題になった、くも膜下出血のため左半身不随で、言語障害の女性の結婚式。「ウエディング」の語源が「約束」「誓約」などであることから、性自認が女性のトランスジェンダーが、自認して10年の節目に「自分自身が自分のパートナー」としての生き方を誓うソロウエディング。愛するペットも一緒に参加できるバーベーキュー場でのフルコースフレンチウェディング。卒園した幼稚園の教会でヴァージンロードを歩きたいといった希望や、インド出身の新郎が働く“いちご農園のビニールハウス”で披露宴など枚挙にいとまがない。

 結婚式を考えるカップルが参考にするのは、以前はゼクシィのような結婚情報誌がほとんどだったが、最近はSNSの発達で、海外の結婚式など多種多様な結婚式の形からイメージを沸かせているカップルも多くなってきたという。だが日本の結婚式は「独自の発展を遂げたガラパゴス」だという。そのため海外の様なガーデンウェディングや、その他会場装飾にこだわった結婚式を、既存の式場で行おうとすると、時間の制約や他のカップルとの流れにより希望を叶えられないケースが多い。通常の結婚式の場合、式場を選んでから、どのようなプランを組むかを考えるが、岩田さんの場合は、結婚式をあげない選択肢もある中で、「何故結婚式を挙げたいと思ったか?」から想いを紐解くことからスタートし、お客様に合った内容や場所を提案する。

 これまで何度か車椅子での挙式を手掛けたことはあったが、くも膜下出血だった女性の場合はさらに失語症もあった。リモートやLINEでの打ち合わせはできず、岩田さんが女性の自宅を何度も訪問。思いを汲み取るため通常時間の3倍を要した。女性の「最後は歩いきたい」という希望を実現するための導線や、その後の写真撮影のための控え室など、それまで気付かなかった問題解決に時間をかけた。

 トランスジェンダー女性のソロウエディングの場合、横浜の山下公園での挙式の公園利用の許可やコロナ禍など、実際に行われるまでに幾つもの困難があった。トランスジェンダー女性が絶対に譲れないというこだわりも幾つかあり、一つひとつ解決していった。

 現在結婚式を行う世代は、コロナ禍で披露宴の規模が縮小し「親類や友人などの披露宴に出席したことのないカップル」が、初めて接する結婚式が自分というパターンも生まれている。そのため参考にする式がなく、これまでの“常識"や“当たり前"にとらわれないアイデアも持ち込まれるという。

 規模も80人から50人前後となり、上司を呼ぶことが少なくなった。例えば友人だけを呼んだ1.5次会のような披露宴の入場は、これまでなら花嫁は父に手を引かれるか、新郎新婦でというパターンがほとんどだった。だが最近「新郎新婦が付き合うきっかけになった友人と3人で入場したい」というカップルがいた。岩田さんは、そんな入場は見たことがないと伝えるのではなく「ではどのようにすれば、3人の入場が違和感なく受け入れられるのか」を一緒に考え、実現に向けて段取りをつけていく。

 岩田さんの元には一般的な結婚式場では希望の実現が難しいと言われたカップルが最後の砦としてやってくる場合も多い。「できることと、できないことがあります。でもできないことは代案を一緒に考え、少しでも希望に添ったものにしたい」と笑顔を見せる。

 元々岩田さんは、オリエンタルランドでシンデレラ城のキャストを経て、人財育成を担当。ディズニーブランドホテル開業プロジェクトにも参加した。開業後はフロント業務を担当したが、「お客さまを笑顔にしたい」という思いは常にあったという。その後、自身の結婚を機に「ウエディングプランナー」という職業に、自身の適性を見いだし大手ブライダル会社に就職。だが「やはりまず会場ありきで、新郎新婦の希望を全て叶えることはできない」と、自身の会社Colorfraiseを設立。大手式場時代を含めると累計3000組以上に携わり、新郎新婦の希望に近づけられるよう、不可能な場合でも代替案を提示し、「NOと言わないフリーウェディングプランナー」として、従来の枠にとらわれないオーダーメイドウェディングを手がけている。

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