大学時代の友人が結婚すると聞いたAさん。招待状が届いたときは、迷うことなく出席の返事を出した。ところがその後、自身の妊娠が判明。喜びもつかの間、予想以上につわりが重く食事もろくに取れない日々が続く。
結婚式が近づいても体調は回復せず、主治医からも「出席は控えたほうがよいでしょう」といわれてしまう。直前まで迷ったAさんは、式の1週間前にやむを得ず欠席を伝えた。
Aさんは何度も謝罪し、ご祝儀を渡したいことや、改めてお祝いしたい気持ちを伝えたが、友人からは「もっと早く言ってほしかった」と冷めた声。SNSでも「ドタキャンするなんて非常識」という投稿を目にし、自分は間違っていたのではないかと悩むようになった。
妊娠や体調不良など、やむを得ない事情で結婚式を欠席しなければならない場合、どのように対応するのが望ましいのだろうか。マナー講師の松原奈緒美さんに話を聞いた。
やむを得ない欠席でもお詫びと配慮を
ー妊娠や体調不良など、やむを得ない事情で結婚式を欠席することはマナー違反になるのでしょうか?
安易に欠席すべきではありませんが、やむを得ない事情での欠席はマナー違反とはいえません。ただし、お詫びの連絡やご祝儀、お祝いなどの配慮は必要です。
ーご祝儀やお祝いの品はどのように贈るのが適切でしょうか。
可能であれば、出席した場合と同等のご祝儀を前日までに送るようにしてください。新郎新婦側の負担も軽減できます。
お祝い品として、祝電やお花を会場に贈るのもおすすめです。お祝いの気持ちを、形として表すようにしましょう。
ー欠席が決まった場合、どのタイミングで連絡するのが望ましいですか。
分かった時点でできるだけ早めに伝えることが大切です。早ければ、料理のキャンセルや卓数の調整ができることもあります。
連絡手段も意識した方がよいでしょう。例えば、LINEのメッセージなどで済ませると、「軽く扱われた」という印象を与えることもあります。声のニュアンスが伝わりやすい電話であれば、お詫びの気持ちも伝わりやすいです。
なお、連絡時には、お詫びだけでなく、理由も伝えるようにしてください。ただし、身内の不幸による欠席の場合、新郎新婦に気を遣わせないよう詳細な理由を伝えるのは避け、落ち着いたタイミングで事情を伝えるとよいでしょう。
ー新郎新婦側は、急な欠席をどのように受け止めるのが望ましいでしょうか。
大切な席に欠席者がでるのは残念ですが、やむを得ない事情の場合は仕方がないことです。体調不良などの場合、相手を気遣う言葉をかけた上で、無事に式を終えたことを報告するとよいですね。
ーゲスト・新郎新婦双方が、関係を悪化させないために心掛けたいことを教えてください。
お互い相手の立場に立って、言葉や行動で配慮を示すことが大切です。
ゲスト側は「迷惑をかけてしまった」という気持ちで誠意を持って早めに連絡をし、お詫びとお祝いの気持ちを伝えること。新郎新婦側は相手の事情を察し、気遣いの言葉をかけるようにしたいですね。
◆松原奈緒美(まつばら・なおみ) マナー講師
株式会社EXSIA代表取締役。NPO法人日本サービスマナー協会ゼネラルマネージャー講師。著書『新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100』新日本法規出版、『信頼される人がやっているビジネス基本のふるまい事典』かんき出版。