歌手の歌心りえ(53)がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースのインタビューに応じた。50歳で挑戦した日韓共同のオーディション番組でファイナリストとなり、翌年に韓国の歌番組に出演して現地でブレイク。日本でも注目される彼女が、これまでの歌手活動、今後の目標などについて語った。
キャリアは30年以上。DREAMS COME TRUEの吉田美和に憧れ、高校卒業後、栃木県から上京。専門学校に通う傍ら、ボイストレーニングを受け、オーディションに挑戦するも不合格ばかり。それでも諦めきれず、オリジナルの楽曲のデモテープを手当たり次第にレコード会社などに送っていると、当時所属することになる事務所の社長から声をかけてもらった。
1995年に3人組ユニット「Letit go」のボーカルとしてデビュー。セカンドシングル「200倍の夢」が、エントリーされた1000曲以上の中からポカリスエットのCMソングに起用され、スマッシュヒットとなった。その後、実の姉とのユニット「Ciao」を経て、ピアノ・ボーカル・チェロによる3人組ユニット「September」やソロ活動を続けてきた。
芸名を「歌心りえ」にしたは13年ほど前。当時は「Rie」名義だったが、YouTubeを始めるにあたり、検索で名前が出やすくなるようにするために変えた。自身のモットー「歌は心」というところから取った。「本当に安易というか」。新しいスタートを切った。
歌手として地道に活動を続けるなか、周囲から「受けてみたら」と言われたのが、23年の日韓共同オーディション番組「トロット・ガールズ・ジャパン」だった。トロットとは韓国で演歌や歌謡曲を指す。当時50歳で、オーディションは18、19歳以来。「今まで30年近く歌ってきて、どういう風に評価してもらえるのかなというのに興味もあったし、審査員の方にどういう言葉をもらえるのかなと思って。その言葉をもらえたら、今後の音楽人生の中できっといいエネルギーになると」。悩みながらも、受ける決心がついた。
書類審査を通過して予選会の会場に行くと、周囲は10代、20代ばかり。「絶対浮いているし、どうやってみんなとコミュニケーションを取れるのかと不安で、ひとりポツン状態でした」。居づらい雰囲気のなか、何とか気持ちを奮い立たせた。「通ったんだから、とにかく決勝までは頑張ろうと」。予選では堺正章の「街の灯り」、決勝では渡辺真知子の「唇よ、熱く君を語れ」を熱唱。出場者がチームに分かれて対抗戦も行った。決勝に進んだときは「やっと来た!」と思ったという。
惜しくも優勝はならなかったが、この番組がきっかけで翌24年に韓国の番組「韓日歌王戦」に出場することになった。韓国代表チームと日本代表チームのそれぞれ7人の歌手が対決する番組。日本代表のひとりに選ばれ、日本でも大ヒットした韓国ドラマ・冬のソナタの主題歌「最初から今まで」の日本語バージョンを歌った。
ほかにも、さだまさしの「道化師のソネット」、中島美嘉の「雪の華」も歌ったところ、大きな反響を呼んだ。「韓国の人々がすごく気に入ってくださって。『道化師のソネット』で、日本語の美しさを知りました、とか、盛り上げてくださって」。優勝は韓国代表だったが、番組の動画、自身のSNSのコメント欄に、「日本の音楽業界のスタッフは何をしているんだ!こんなすてきな歌手がいるじゃないか!」などハングルで書き込みが殺到した。
韓国での盛り上がりが、日本にも伝わり、ワイドショーなどメディアも取り上げた。SNSには日本語の書き込みも増えてきた。25年4月にビクターとエイベックスという異例の2つのレコード会社から、カバーアルバム「SONGS」「HEARTS」を同時リリースし、両アルバムは「日本レコード大賞」企画賞を受賞。今年4月には第2弾となるカバーアルバム「UTA」「KOKORO」を同時リリースした。「いい夫婦の日」をすすめる会オフィシャルサポーターにも就任し、応援ソング「しあわせのまわり道」はTBS系「ひるおび」の7月エンディングテーマ曲に採用された。
時間はかかったが、歌手としての道が大きく開けてきた。目標は2つある。「両親、今まで応援してくれた方に恩返しのためにも、紅白に出られたら、すごくうれしいなと思っています。あとはスポーツ大会などのイベントで国歌斉唱をするチャンスがあれば」。大舞台に立つ日を夢見て、歌い続ける。
◆歌心りえ(うたごころ・りえ)1973年6月30日生まれ、栃木県出身。95年、3人組ユニット「Letit go(レティットゴー)」のボーカルとしてデビュー。23年、50歳で挑戦したオーディション番組「トロット・ガールズ・ジャパン」でファイナリスト入りを果たし、その表現力と透明感のある歌声が高く評価される。24年、韓国MBN「韓日歌王戦」に日本代表歌手として出場し、大ブレイク。25年4月、ビクターとエイベックスという異例の2つのレコード会社から、カバーアルバム「SONGS」「HEARTS」を同時リリース。両アルバムは「日本レコード大賞」企画賞を受賞した。26年4月、第2弾となるカバーアルバム「UTA」「KOKORO」を同時リリース。「いい夫婦の日」をすすめる会オフィシャルサポーターにも就任した。