高3の6月。部活の引退が見えてくると、いよいよ受験が現実味を帯びてきます。
「うちの子も総合型選抜(旧AO入試)を受けられないか」と考え始めるものの、「今からで間に合う?」「すごい実績がないとダメ?」と焦る親御さんも多い時期です。
こんにちは。おうち受験コーチングの鈴木詩織です。
結論から言うと、高3の6月からでも総合型選抜は十分に間に合います。総合型選抜で求められるのは、華々しい実績ではなく「将来どうなりたいか」「なぜその大学で学びたいか」を自分の言葉で熱く語れるかどうかです。
夏休みに慌てて過去の体験を寄せ集めるのではなく、6月の今から「自己分析」を始めましょう。今回は、お子さんの志望理由を引き出す魔法の質問をご紹介します。
◆親がやってはいけない「NGサポート」
質問の前に一つだけ注意点があります。それは、親御さんが「代筆や過度な添削をしないこと」です。
大人が手を入れた綺麗すぎる志望理由書は、面接官にすぐに見抜かれます。本人の言葉で書かれていないため、面接で深く突っ込まれた時に必ずボロが出ます。親御さんの役割は、教えたり直したりすることではなく、お子さんの思考を深める「最高の壁打ち相手(コーチ)」になることです。
◆志望理由を引き出す「未来逆算」の魔法の質問
志望理由書は「過去→現在→未来」ではなく、「未来→現在→過去」と逆算して考えるのが最も説得力が出ます。お子さんがリラックスしている時に、次の3つの質問を投げかけてみてください。
①「将来どんな大人になりたい?どんな社会を作りたい?」 「医者」「公務員」といった職業ではなく、「困っている人を笑顔にしたい」といった『あり方(ビジョン)』を先に聞きます。これが一番の原動力になります。
②「そのために、大学でどんな『武器』を手に入れたい?」 ビジョンが決まったら、「それを実現するにはどんな学びが必要?」と問いかけます。ここで初めて「だから経営学が必要なんだ」と学問への意欲につながります。
③「なぜ『この大学の、この学部』じゃないとダメなの?」 最後に「同じ学部は他大学にもあるけど、なぜそこなの?」と深掘りします。「この教授のゼミに入りたいから」「このカリキュラムが必要だから」と答えられれば、それが最強の志望理由になります。
◆まとめ:親の「聴く力」が合格を引き寄せる
お子さんが未来を語り始めた時、「そんなの無理」「もっと現実的に考えなさい」と否定するのは絶対にNGです。まずは「いいね!」「それから?」とすべて受け入れ、肯定してあげてください。
この「未来からの逆算」の対話を6月のうちに行っておけば、夏休みにいざ志望理由書を書くとき、お子さんのペンは驚くほどスラスラ進むはずです。ぜひ今夜から、お子さんの最高の壁打ち相手になってあげてくださいね。
<プロフィール> 鈴木詩織 受験コーチング協会代表理事。中学受験・高校受験・大学受験を目指す親子向けの受験コーチングをオンラインで行う「おうち受験コーチング」のサービスを展開。4000家庭以上の親子の受験に向き合う。著書に『おうち受験コーチング』『子どもが自走する言い換えビフォーアフター』共著に『おうちエニアグラム』いずれもみらいパブリッシング。