“買う”から“借りる”へ―。コロナ禍以降、結婚式のスタイルが多様化し、少人数婚やカジュアル化など、選択肢が広がっている。加えて物価高の影響もあり、着る機会の限られるフォーマルウェアは「費用や時間を合理的に抑えたい」という志向も浸透。そんな中、結婚式が派手なことで知られる名古屋に3月30日、完全予約制の「東京ソワールレンタルドレス」がオープンした。
同社のレンタルショップは東京・青山店に次ぐ2店舗目。レンタル事業は伸長し、年間契約数右肩上がりになっている。東京・青山店では予約が1カ月先まで埋まる状況が続いているという。も、のマインドの変化が見られる。
借りる側の声としては
「真夏の挙式で留袖に代わりドレスを選択。周囲からも高評価」
「神前式で装いに迷う中、スタッフの的確なアドバイスにより安心してレンタルできた」
「ホテル直送や事前確認など対応がスムーズで安心感があった」
「試着なしでも電話で丁寧にサイズ相談ができ、ぴったりの一着に出会えた」
と概ね好評で、リピーターも増えているという。またお祝い事には、ドレスだけでなく靴やバッグ、アクセサリーまで細かな約束事がある。それだけに“失敗できない”ことから店舗での試着ニーズは依然高まっており、同社では今後も全国に店舗拡大する計画だという。
レンタル事業全体としては2025年年間で、契約実績は昨比133%と大きく伸長し、コロナ禍以降、契約数は上昇し続けている。主な利用者は、新郎新婦の母が多い傾向だが、直近1年では親族の利用も増加しつつあるという。さらに父親のタキシードやモーニングといった男性フォーマルの需要も拡大しており、家族単位でのトータルコーディネート需要が高まっている。
結婚式のトレンドとしては、今回オープンした名古屋・東海地区などでも、結納を前提に親が主導する結婚式スタイルが一般的だったが、結納を行わない両家顔合わせへの移行や、新郎新婦が主体となって自由に式を設計するスタイルへと、大きな変化が見られる。
また新郎新婦の母親層では、ドレススタイルの選択が広がる一方で、ジャケットとロング丈ドレスを組み合わせた格式ある「正礼装」への関心も近年高まり、「きちんとした場にふさわしい服装をしたい」というニーズの表れといえる。一方で、結婚式スタイルの多様化により「形式にとらわれない、固くない装い」への需要も根強く存在している。
さまざまなスタイルの結婚式が登場しているだけに、品格を持ちながら、参列者もそれに応じた服装で参列したい。だが着用する頻度が少ないだけに、ドレスだけでなく靴やバッグ、アクセサリーといった細々した物の保管やクリーニング、さらにはトレンドの心配もない借りる”という選択は時代の流れかもしれない。