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育児と仕事で手いっぱいなのに介護も…「長男として」と夫→追い詰められる妻の解決策は【社会福祉士が解説】

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Aさん(30代女性)は時短勤務での仕事をしながら3歳と生後3カ月の子どもを育て、昨年から完全二世帯住宅で義理の両親と同居している。義父は進行性の難病で要介護3状態で、さらに義母は脳卒中で倒れ、現在は要介護5状態で入院中。義母の退院期限が迫る中、夫は「このまま入院生活を続けると精神的によくない」として、自宅での介護を望んでいるようだ。

しかしAさんは、2人の幼い子どもの育児と仕事の両立だけでも手いっぱいな状態。義父の生活を支えるだけでも負担を感じている中で、寝たきりに近い状態の義母の介護まで担うことが不安でたまらない。

それを夫に相談してみても「世間体が悪い」「長男として親を施設に入れるわけにはいかない」と主張し、話し合いは平行線のままだ。Aさんは「子どもたちのためにも、私が倒れるわけにはいかない」と感じ、最悪の場合は実家に戻ることも視野に入れて考え始めていた。

このように、育児と介護を同時に担うダブルケアの状況に追い込まれる家庭は少なくない。では、こうした状況で在宅介護に限界を感じた場合に、どのような選択肢をとることできるのか。社会福祉士のnorikoさんに話を聞いた。

ーAさんのように義父母両方の介護をしているのは女性が多いのでしょうか?その背景にはどんな要因があるのでしょうか?

昨今では、夫婦で協力しながら家事・育児・介護を担う世帯も増えてきましたが、家庭内で育児や介護を女性が担うケースが多い傾向があります。また高齢者の中には、息子より娘の方が頼りだと思っている方もいらっしゃいます。若年層も、働くために幼い子どもを頼む際、母親を頼ることが多いです。

こうした家族関係の影響も、女性がケアを担う割合が高くなる要因の1つと考えられます。

一方で、ダブルケアの形もさまざまです。中高年の場合は、自分の親と義理の親を看ていたり、孫と親を同時に看たりするケースもあります。

現役世代でも、子と親を看ているだけでなく、たとえば障がいのあるきょうだいと親を看ているケースもあります。さらに、医療的ケアが必要な子どもを育てながら親の介護を担う場合もあり、家庭ごとに状況は大きく異なります。

ーダブルケアラーが仕事を続けるためにはどうしたらよいでしょうか?

まずはなにより、ひとりで抱え込まないこと、日常的に相談できる人がいることが大切です。公的サービスを利用する以外にも、介護をしている家族同士が集まる場、子育てサークルなどのインフォーマルな資源も活用し、同じ立場の方と労い合うことで、つながりを作ったり息抜きをすることも必要です。

また働き方については、職場の中にも相談できる方がいるといいですね。気軽に話せる同僚、上司だけでなく、介護休暇など社内の制度を確認しておくのも有効です。社内の人事部門やキャリアコンサルタントへのキャリア相談もおすすめです。

ー 在宅介護に限界を感じた場合、どのような選択肢がありますか?

在宅介護が難しくなった場合、施設の利用を検討することも1つの選択肢です。

「施設に入れるのは冷たいのではないか」と感じる人もいますが、決してそうではありません。施設を利用することによって、お互いが程よい距離を取ることができるようになり、むしろ家族関係が改善するというケースは多いです。

在宅と施設のどちらが良い悪いではなく、介助量や住宅環境、家族のマンパワー、お住まいの地域の社会資源の状況など、総合的に判断して施設の利用を決めるのが良いのではないでしょうか。

また、施設に入ったとしても、家族や友人の面会や外出泊も可能です。盆、正月など人手の多いときに自宅に一時的に帰宅する方もいらっしゃいます。

◆noriko(のりこ) 社会福祉士
医療機関、生活困窮支援自立相談支援機関、地域包括支援センターで、これまで10代から100歳以上までの幅広い支援経験あり。

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