春は卒業に入学、そして結婚式などフォーマルな衣装に注目が集まる。日本におけるフォーマルの最高位に位置するのは、やはり皇居に参内する場合だろうか。叙勲や園遊会、政治家ならば内閣親任式など。服装は「勲章等着用規程」で定まっており、細かく規定がある。
格式が最も高い式典の場合は「燕尾服若しくはローブデコルテ若しくはローブモンタント又はこれらに相当」で、式典に応じ「男子はフロツクコート若しくはモーニングコート女子にあつては白襟紋付又はこれに相当」などの規定がある。男性はスーツ系で悩む必要もないが、女性の場合は色留袖(皇室では黒は喪に着用するため、黒留袖は避ける)に相当するものとなると、ドレス文化のない日本人には一挙に難しくなってくる。
ローブデコルテはネックラインや肩、背中などが大きく開いたノースリーブのロングドレスドレスで、男性の燕尾服とともに夜の最礼装。ローブモンタントは首元や肩、背中をの詰まった長袖のロングドレスでモーニングコートとともに昼の最礼装。
だが宮中では時間帯で区切るのではなく、行事の大きさにより着用するものが変わってくる。そのため、内閣組閣時の親任式(総理)と認証式(閣僚)の衣装は、夜であっても着用するのはモーニングコートとローブモンタント(相当)。第1次、第2次とも高市内閣の女性閣僚は3人で全員、違うドレスを着用した。
高市早苗総理は紺ドレス(OP)×同ジャケット(JK)→濃紺OP×白JK、片山さつき財務大臣青OP白ロングJK→紺OP×白JK、小野田紀美経済安保担当大臣はシルバーOP×同JK→紺OP×同JK。高市総理は20年前の副大臣就任時の認証式には、青系に花柄の訪問着と白に青の花柄帯を着用したこともあったが、2度の親任式ではドレスを選んでいる。
シルバードレスが話題となった小野田大臣は、今回は紺を選んだが、実はシルバードレスの色違い。以前「ヒール履いて180cm近くなる私の背丈に合うドレスコード対応ロングドレスは一つもなかったんですよ」と悩みを吐露。「宮中のドレスコードに合う服って本当に希少」と説明していた。今回は「私としては、決められたドレスコードをクリアできて自分の身体に入る服なら何も拘りは無いのですが、前回銀が派手だとか絡まれて面倒くさかったので、そのドレスの色違いを買って着た」と説明している。
そのドレスを販売しているフォーマルウエア会社の東京ソワールは、「10年前から展開している定番商品」と説明。格式のある素材感と、立体的なシルエット、着心地の良さ、丁寧な仕立てが特徴で、「叙勲・園遊会などの宮中行事でも安心して着用できる装い」だという。また同社では「女性の社会的活躍が広がる中で、正礼装の需要にお応えする商品として、今後も継続して展開してまいります。フォーマルという特別なシーンにふさわしい正統派の品格と上質な素材感、安心して着用いただけるデザインや着心地、そして丁寧なものづくりにこだわり、今後も正礼装の商品を提供してまいります」とコメントしている。