パズルゲーム「テトリス」が、トラウマに伴うフラッシュバックの軽減に役立つ可能性があることが分かった。英・スウェーデンの研究チームによる試験では、視空間処理を担う脳の領域を活性化させることで、侵入的な記憶を弱められるという。
研究はパンデミック中に死を目撃するなど職務上のトラウマを経験したNHS(英国民保健サービス)職員約100人を対象に実施された。参加者はトラウマの記憶を短時間思い出した後、ゆっくりした速度のテトリスをプレーし、画面のグリッドやブロックを頭の中で視覚化する「イメージ競合課題介入(ICTI)」を受けた。
主執筆者でウプサラ大学心理学教授のエミリー・ホームズ氏はスカイニュースに対し、「過去のトラウマによる侵入的な記憶は一瞬であっても注意を奪い、望まない感情に支配される力を持ちます」と説明。「この短い視覚的介入によって感覚的記憶の侵入性を弱めることで、フラッシュバックが減少します」と語った。
比較群では通常の治療やモーツァルトの音楽を聴きながら作曲家についてのポッドキャストを聴く方法が用いられたが、ICTIを受けた参加者は4週間でフラッシュバックが10分の1に減少。6か月後には約7割が「侵入的な記憶がなくなった」と回答した。PTSDの症状軽減も確認された。
ホームズ氏はこの結果を「本当のブレークスルー」と表現し、「忙しい生活の中でも取り入れられる、できるだけ穏やかで短時間、実用的な介入として設計されています」と強調した。