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自分の家の屋根から落ちた雪が隣家を襲ったら…自然現象だから仕方ない?責任はどうなるの?【弁護士が解説】

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普段雪の降らない地域に突如として訪れる大雪は、交通網の麻痺だけでなく近隣住民との深刻なトラブルを引き起こす火種となる。もし、自分の家の屋根から落ちた雪が隣家の財産を損壊させた場合、「自然現象だから仕方ない」という言い分は通用するのだろうか。

隣人との良好な関係を維持するためにも、知っておくべき「落雪の法的責任」についてまこと法律事務所の北村真一さんに話を聞いた。

ー屋根からの落雪で隣家の物を壊したり、怪我をさせたりした場合、家の所有者は法的に損害賠償責任を負いますか?

原則として所有者が損害賠償責任を負うことになります。

民法第717条には「工作物責任」という規定があり、建物などの設置や保存に不備(瑕疵)があった場合、その所有者は損害を賠償する義務があるとされています。

屋根に雪止めが設置されていなかったり、落雪が予見できるのに対策を怠ったりしていた場合、それは建物の「保存の不備」とみなされる可能性が高いのです。

ー「自然現象(不可抗力)」という主張は認められますか?

残念ながら、落雪において不可抗力が認められるケースは稀です。裁判例では、その地域で過去に例を見ないような異常な大雪でない限り、所有者はあらかじめ落雪による被害を予測し、防止策を講じるべきだとされています。

たとえ普段雪が降らない地域であっても、「数年に一度の大雪」程度では不可抗力とは認められず、所有者の過失として扱われるのが一般的です。

ー隣家から「雪が落ちてきそうだから対策してほしい」と言われた場合、応じる義務はありますか?

法的には、対策を講じる義務があるといえます。民法では、他人の土地に直接雨水や雪を注ぐような構造の屋根を設置してはならないという趣旨の規定(民法240条の準用等)があります。

また、落雪によって被害が出る可能性が客観的に高い場合は、妨害予防請求として雪止めの設置などを求められることもあります。トラブルが大きくなる前に、専門の業者に相談して雪止めを設置するなどの対応を取るのが賢明です。

ー火災保険や個人賠償責任保険で、賠償金をカバーすることはできますか?

多くの場​​合、カバーすることが可能です。

まず、ご自身が加入している火災保険に「個人賠償責任特約」が付帯されていないか確認してください。この特約があれば、他人の財物を壊したり怪我をさせたりした際の賠償金が補償されます。

また、自動車保険やクレジットカードの付帯保険として「個人賠償責任保険」に加入している場合も対象となります。

ただし、自分の家の修理(雪による破損)は火災保険の「雪災」項目で補償されますが、相手方への賠償はあくまで「賠償責任保険」の範疇になるという違いに注意が必要です。

●北村真一(きたむら・しんいち)弁護士 

大阪府茨木市出身の人気ゆるふわ弁護士。「きたべん」の愛称で親しまれており、恋愛問題からM&Aまで幅広く相談対応が可能。

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