ラッパーで、カントリーミュージックでも活躍している歌手のジェリー・ロール(本名ジェイソン・デフォード)が、過去の強盗および薬物所持に関する有罪判決について恩赦を受けた。現在41歳のジェリーは、13歳のときに大麻所持で摘発され、出廷しなかったことで初めて少年拘置所に入った。その後、16歳のときに強盗事件に関与したとして1年間服役し、この重罪歴によって長年にわたり投票権を失い、海外渡航にも制限がかかっていた。
今回の恩赦は、ビル・リー・テネシー州知事がジェリーの強盗および薬物所持の有罪歴を正式に取り消したもの。リー知事は「彼の人生は驚くべきもので、救いと再生の力強い物語だ。まさに望ましい形だ」と語り、その歩みを高く評価した。
恩赦の決定は、テネシー州仮釈放委員会が全会一致で「恩赦を支持する非拘束的な勧告」を出したことを受けて行われた。16日に開かれた公聴会では、複数の人物がジェリーの人柄を証言し、本人も服役経験が音楽活動の原点になったと説明した。
ジェリーは「最初は自分を癒すための情熱的な取り組みだったが、想像もしなかった形で人生を変え、思いもよらない扉を開いてくれた」と語り、音楽が人生を立て直すきっかけになったと明かした。
今回の恩赦により、ジェリーは海外渡航の制限が大幅に緩和され、米国外でのツアー開催が可能になるほか、キリスト教の宣教活動にも取り組めるようになる。