株式会社ベビーカレンダーはこのほど、2025年に生まれた赤ちゃん8万5949人を対象に「赤ちゃんの名前ランキング」を発表した。
男の子の名前ランキングTOP3は、1位「碧(主な読み:あお)」、同率2位「陽翔(はると)」・「湊(みなと)」だった。「湊」は22年7位、23年4位、24年5位と、ここ数年安定して上位に入り続けている。また、「陽」を含む名前も多く選ばれた。2位「陽翔」、7位「朝陽(あさひ)」、8位「陽向(ひなた)」と、TOP10のうち3つが「陽」を用いた名前で、太陽の明るさや前向きさを感じさせる「陽」は、男の子の名付けで根強い人気となっている。
女の子の名前ランキングTOP3は、1位「陽葵(ひまり)」、2位「翠(すい)」、3位「凛(りん)」。「陽葵」と「凛」は安定した人気を維持し、近年注目度が高まっている「翠」は2位へ順位を伸ばした。「結月(ゆづき)」は22年・23年は11位、24年10位、そして25年は4位へとランクアップ。「琴葉(ことは)」も22年14位、23年8位、24年12位から、25年は5位へと再び上昇している。落ち着きや季節感、和の情緒を感じさせる「レトロネーム」が、名付けで定番になりつつある。
読み方のTOP3は、男の子1位「はると」、2位「みなと」、3位「あおと」。「はると」は18年から8年連続で首位をキープ。明るく清々しい印象と、穏やかな響きのバランスで世代を超えて選ばれている。ここ数年で注目度が高まっている「せな」は、23年31位、24年21位から、25年は8位へと上昇。男女の性差を感じさせない「ジェンダーレスネーム」として広がりを見せている。
女の子は1位「えま」、2位「さな」、3位「つむぎ」という結果に。また、明るく愛らしいイメージの「ひまり」は、23年15位、24年12位から25年は5位へ順位を上げ、注目度が高まっている。
今回は男女ともに海外でも通じる響きの名前が目立った。男の子では8位「せな」をはじめ、20位「るい」、30位「れお」、38位「れい」、66位「るか」などがTOP100にランクイン。女の子でも、1位「えま」、2位「さな」、9位「めい」、14位「りお」など、国際的に発音しやすく、シンプルな二音の名前が上位に並んだ。
男の子の名前に使用された漢字ランキングTOP5は、1位「翔」、2位「陽」、3位「斗」、4位「大」、5位「真」だった。上位5つの漢字は3年連続で同じ漢字となっており、男の子の名付けにおける“定番漢字”として根強い人気が続いている。「翔」はMLBの大谷翔平人気の高まりもあり、自由にはばたくイメージ、「陽」は温かさと前向きさ、「斗」「大」「真」は力強さや誠実さを感じさせ、時代を問わず選ばれやすい漢字といえる。
また、映画「国宝」で歌舞伎名門の御曹司役を演じた横浜流星の影響もあり、「星」が24年83位から25年は72位へとランクアップ。伝統文化はもちろん、話題の作品が名付けに影響を与える様子がうかがえる。
女の子の名前に使用された漢字ランキングTOP5は、1位「愛」、2位「結」、3位「花」、4位「菜」、5位「心」だった。2年連続で首位だった「結」をおさえた「愛」は、あたたかさとやさしさを象徴する漢字で、相手を大切に思う気持ちを込めた名付けとして支持されている。「都」は24年の77位から25年58位へとランクアップ。洗練された響きに加え、和の情緒と現代的な雰囲気のバランスがとれることから、落ち着きのある“和モダン”な名前として選ばれているようだ。
サッカー日本代表・田中碧の「碧」やMLB佐々木朗希の「朗」、バレーボール高橋藍の「藍」など、世界で活躍するアスリートの存在や万博をはじめとした国際的な機運により、今年の赤ちゃんの名付けでは、海外でも親しまれやすい響きの名前が注目された。一方で、「大和」「伊織」「紬」「澪」「菫」など、日本の文化や自然に根ざした名前にも再び光が当たっている。多様な価値観のなかで「世界」と「日本」の両方を見据えた選び方が広がった1年と言える。
◆2025年赤ちゃんの名前ランキングTOP100(https://baby-calendar.jp/smilenews/detail/100184)