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ポール・マッカートニー AI著作権政策への抗議で「無音トラック」発売 「音楽の盗用を合法化してはならない」

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 ポール・マッカートニー
 ポール・マッカートニー

 歌手のポール・マッカートニーが、英国政府のAI著作権政策に抗議するため、「無音トラック」をレコーディングした。この楽曲は、今年初めにデジタル配信されたコンピレーション・アルバム『Is This What We Want?』のフィジカル版にボーナストラックとして収録され、12月8日に発売される予定だ。

 同アルバムには、ケイト・ブッシュ、デーモン・アルバーン、アニー・レノックスを含む1000人以上のアーティストが参加。無人のレコーディングスタジオで収録された無音音源を通じて、人間の創造性の重要性を訴えている。トラックリストには「英国政府はAI企業のために音楽の盗用を合法化してはならない」と明記されている。収益はすべて、音楽家の危機支援を行う慈善団体Help Musiciansに寄付される。

 アルバムのキュレーターであるエド・ニュートン=レックスは、「政府は、国内の音楽家たちの人生の成果をAI企業に無償で提供すべきではない。それは創造産業にとって甚大な損害をもたらし、海外のテック企業だけが得をする。ポール・マッカートニーや他の1000人の声に耳を傾け、音楽の盗用を合法化しようとする圧力に抗うべきだ」と訴える。

 またポールは以前、エルトン・ジョン、デュア・リパ、コールドプレイらと共に、AI学習モデルによる著作物の無断使用に反対する公開書簡に署名。政府が「使用を拒否する方式(オプトアウト)」を導入しようとしていることに対し、「若いアーティストが美しい曲を書いても、それを所有できず、誰でも簡単に盗めてしまう」とBBCに語っていた。さらに、自身の代表曲『イエスタデイ』に触れ、「お金はどこかに流れている。ならば、あの曲を書いた人間に支払われるべきだ」と強調した。

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