入院中、昼夜問わず鳴り続けるナースコールの音に「看護師さん、すごく忙しいんじゃ…?」と思い、自分は押すのをためらってしまうという人は少なくないだろう。そんな入院中の遠慮を描いた漫画『ナースコールが押しづらい』(作・田中よーちんさん)が、SNSで注目を集めている。
同作は田中さんが乳がんの治療で入院していたときのことだ。入院初日の夕食後、ふと田中さんの耳に入ってきたのは、クラシック調のナースコールのメロディーだった。その音は昼夜問わず響いていた。
この様子に田中さんは「この病棟ちゃんとまわってる?」と、心配せずにはいられなかったようだ。そのとき思い出したのは、かつて飲食店でアルバイトをしていた頃、満席のホールを1人でまわしていた自身の経験だ。
週1回だったアルバイトが大変だったことを思い出すと、田中さんは毎日がこの状態であることに驚愕する。そして、日々対応をしてくれている看護師への感謝や尊敬とともに、自分がナースコールを押すことに申し訳なさが湧き出るのであった。
もちろん看護師たちは「何かあったらナースコールしてくださいね」と優しく声をかけてくれる。それでも田中さんは、「めちゃめちゃ気が引ける」と感じ、結局入院中にナースコールを押したのはわずか2回だけだった。
読者からは「私も鳴らせないと思う」などの共感だけでなく、医療現場で働く看護師からの「押してもらった方が助かります。何かあってからでは遅いので」や「ナースコールはセンサーが反応して鳴ることも多い」などの声が集まっている。そんな同作について、作者の田中よーちんさんに話を聞いた。
ー同作を描くきっかけを教えてください。
去年の5月に入院をしたのですが、病室がナースステーションのお向かいだったこともあり、ひっきりなしにナースコールが聞こえている状態でした。
看護師さんって大変だなと思うのと同時に、あまり看護師さんの手を煩わせたくないなと思い入院中は「こんなことでナースコールしていいのか」と悩む場面がとても多かったので、その葛藤をマンガにしてみました。
ー同作に寄せられたコメントで印象的なものがあれば教えてください。
患者側の立場を経験された方々のコメントはだいたい私と同じく「ナースコールは押しづらいですよね」という意見が多かったですが、逆に病院に勤務されてる方々のご意見は「遠慮なく押してださい」だったので、そこはすごく参考になりました。
<田中よーちんさん関連情報>
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