akiya_b

【高校受験】やりたいことがない子の志望校決め「これが嫌だを基準に」多すぎる選択肢の絞り方のコツ

受験

野田 茜 野田 茜

 高校受験の志望校選びは、子どもの希望や成績だけでなく制度面の複雑さなども加わり、どこの家庭でも苦労しているだろう。筆者が暮らす神奈川県では、学校ごとに内容が異なる特色検査や、特定教科の点数を高く換算する重点化制度などがあり、内申点の扱いも含めると判断が難しい。

 また、やりたいことが特にないタイプの子の場合、選択肢が多すぎてかえって決めづらいこともある。筆者の家庭では、中学3年生の長女がまさにそのタイプだ。

 中学3年生の春、高校受験案内の本を購入し、志望校探しを始めた。県外出身の筆者は、公立高校の制度や学校の特徴がよくわからず、まずは全体像を把握しようと思い一冊買って調べてみることにした。

 長女の条件は、特色検査がない学校だ。特色検査とは、神奈川県の公立高校入試でおこなわれる各校独自の試験のことだ。学力検査とは別に、論理的思考力や表現力などを問う記述問題を出す学校もあれば、面接や実技検査を課す学校もある。学校ごとに内容や配点が異なり準備が複雑になるため、受験生にとっては準備の負担が大きい。

 長女の希望で特色検査のある学校を除外したが、内申点が良かったこともあり、まだまだ候補は多かった。やりたいことが特にないため決め手がなく、どこを選べばいいのか親子ともに悩む時期が続いた。

 そんな中、夏前になって、長女が特定の部活動がある学校がいいと言い出した。あまり見かけない部活だったので、かえって候補が絞られすぎるのではと心配になったが、意外にもその部を設けている学校は多く、公立だけで10校ほどあった。ようやく志望校選びの方向性が見えてきた段階だ。

 夏休みには、興味のある学校の説明会に申し込んで参加した。人気校は募集開始から数時間で満席になることもあり、仕事をしながら日々最新の情報をチェックするのは苦労した。

 そしていくつかの説明会に参加し、「特定教科の重点化」という制度を初めて知った。重点化とは、入試で特定の教科を重視する仕組みで、学校ごとに指定された教科の得点を高く換算して合否に反映させるものである。

 筆者と同じく、説明会で初めて重点化を知った長女は「いやだなぁ」と顔をくもらせた。というのも、参加した学校が重点化の対象としていたのは、長女が苦手としている数学と英語がほとんどだったから。ただ模試や定期テストの結果を見る限り、本人が思うほど苦手ではなく、十分に勝負できるレベルだと筆者は感じていた。それでも本人にとっては苦手科目が重視されるという事実が、不安の種になっているようだ。

 秋になった現在は、重点化のある学校は避ける方向で、さらに候補を整理している。先日訪れた学校の説明会では、長女の反応がこれまでより少し良かったように見えた。自分の気持ちを言葉で表すことがあまりないので、はっきりとした言葉は出なかったが、雰囲気として前向きさが感じられた。最終決定をする12月の三者面談まで、もうしばらく悩みながら、長女に合う学校を探していくことになりそうだ。

 やりたいことがない場合、候補が多すぎて調べるだけでも大変だ。長女のように、「これがしたい」ではなく「これが嫌だ」という基準で選ぶのは、一見ネガティブに思えるかもしれない。けれど、自分の苦手や違和感を避けることは、結果的に自分に合った学校を見つける現実的な方法でもあるのだと、筆者は感じている。

<プロフィール>

野田 茜

 2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値(四谷大塚)60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。

よろず〜の求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース