大阪府の吉村洋文知事(50)が14日、府庁での囲み会見で、大阪・関西万博が閉幕して一夜明けての心境を問われ「本当に万博は、やって良かったなと思ってます」と述べた。
吉村氏は「多くの人に来ていただいて、多くの人がこの万博に触れて、世界の価値観に触れて、また世界の技術に触れて、未来の方向性を少しでも共有をしています。前に進んでいこうというようなものを示すことができたというのは、非常に大きな意義があったと思っています」と強調した。
「万博に携わってくれた、本当にすべての人がいて成り立ったので、運営のスタッフさんもそうですし、いろんな人の支えがあって、万博というのは成り立った。万博を振り返れば、成功裏に終わった。課題もさまざまありますけれど、振り返って成功裏に終わった」と評価した。
吉村氏は「黒字であったり、経済効果も非常に大きなものが出ましたけれども、合わせて万博の意義というものを示すことができたと思っています。未来をつくる子どもたちに、今回行ったことのない国、見たことのない人たちと向き合って、触れて、自分の将来、未来に役立ててもらえたら。(万博で)新しい技術を見た子どもたちが、次の新しい科学者や技術者になるかもしれない。そういった子どもたちのインスピレーションは、非常に大切なところだと思っています」と述べた。
一方で「やって良かった、だけで終わるんじゃなくて、これからさらにそれをレガシーとして実装化していって、20年後30年後振り返ってみたら、大阪・関西万博で出たあの技術が今、こうやって役立ってるんだな、というような社会を目指していきたい。これからは、レガシーを実行していく、実現していく、そういったタームに入ったと思ってますので、国、市、協力して、やっていきたいなと思っています」と万博後を見据えた。
「ひとまずは…あのいろいろ批判、課題もありましたけれども、無事に、これという事故ということもなく6カ月間やり切ることができて、本当に関係者のみなさんに感謝です。よかったです」と言葉をかみしめた。
万博会場跡地に一部保存される大屋根リングを、1周すべて残してほしいという声が上がっていることに関して「最初は『こんなのいらない』と言われている…みなさんにそう言われている中で、現在においては高く評価していただいているということは、率直にうれしいこと」と反応した。
「ただ、現実問題として、補修のコスト。あれだけ大きな建築物で、長期で維持するという前提で造っているものではない」「誰かが責任持って、費用も含めて全部やります、という方が出てこない限りは難しい。おそらく出てこないと思います」と、改めて否定的な考えを示した。