愛知県を中心に東海・関東エリアに全国68店舗を展開するステーキレストラン「ステーキのあさくま」がこのほど、大阪市初出店となる店舗「西梅田ハービスプラザ店」をオープンさせた。
ステーキやハンバーグ、45品目を並べるサラダバーが売りで“名古屋のソウルフード”と称されるステーキのあさくま。郊外のロードサイドを中心に店舗を展開しているが、オフィス街でのビジネスランチに特化した都市部への店舗出店は初の試みだという。
同チェーンを運営する株式会社あさくまの廣田陽一社長(41)は「ビジネス街でのお客さまをどう取り込んでいくかということもチャレンジ。『あさくま』というのは郊外に大きな駐車場を用意して、そこにたくさんの家族だったりとかに来ていただくレストランなんですけど、都市部への出店ということもチャレンジかなというふうに思っています。郊外型だった中心だった『あさくま』が、都市部を中心に出店していく。象徴となる西梅田店で実現していきたい」と語った。
愛知県のイメージが強いあさくまだが、廣田氏は「関西でもあさくまの歴史が実はありまして…」と、1974年(昭和49)に大阪府高槻市に1号店を出店し、最盛期には関西圏でフランチャイズも含め9店舗を展開していたと明かした。2022年に、京都市内の店舗が閉店。一度は関西圏から完全に撤退したという。
廣田氏は「関西への出店への再チャレンジ。関西への再出店のための旗艦店として位置づけて、新たな挑戦やチャレンジをしていきたい」と青写真を描く。大阪府内では21年ぶりの復活となる関西圏への再出店を決めた理由について「いずれ関西に戻らないといけないというのがあった。一番はお客さんの声」と、関西での“あさくまロス”を訴える声に応えたとした。
「愛知県で愛されて、1号店ができたのは1962年。今で64年続いているレストラン。愛知県民の文化、と言っている方もいらっしゃる。これを大阪で味わっていただきたい」と呼びかけた。
関西での新チャレンジに臨む廣田氏は「創業社長はチャレンジの塊。もともと魚屋さん、仕出屋さん、そして旅館。旅館の一部改装からのステーキレストラン。さらにさかのぼると、スタートは喫茶店。1年後に、洋食のレストランになった」と、創業者の故近藤誠司氏から同社が連綿と受け継ぐチャレンジ精神を明かした。
50代以上なら「ステーキのあさくま」と言えば、テレビ朝日系で放送された刑事ドラマシリーズ「西部警察 PART―Ⅱ」のロケで店舗が爆破されたことを挙げる人も多いだろう。1983年(昭和58)放送の「決戦・地獄の要塞―名古屋篇―」で銃撃戦や爆破シーンの撮影が行われ、名古屋市内にある同チェーンの藤が丘店は実際に爆破されている。
あまりにも衝撃的な場面に、40年以上たった今でも、根強い西部警察ファンが“聖地巡礼”としていまだに訪れる。廣田氏は「本当に、創業者が非常に豪快な方で。(石原裕次郎さんの)事務所の方と接点があった。そういった撮影がしたいって話が入った時に、『ちょうど改装するから爆破しなよ』って。内側に駐車場があって、爆破しても表が非常に交通量のある幹線道路なので(騒音の)影響も…『やってみる?』みたいなことだった」と“秘話”を明かしていた。