大阪・新歌舞伎座で10日「坂本冬美特別公演」が初日を迎えた。
第1部が芝居「弁天お春騒動記」で、明治時代、急速な近代化の波にのまれるなか、本職は芸者ながらも瓦版屋の顔を持つお春(坂本冬美)と、幼なじみの華族の一ノ瀬清顕(中村梅雀)とその妻の夏子(一路真輝)が“幕府の軍用金三千両"をめぐり、騙し、騙され、化かし合う楽しい作品。第2部「坂本冬美 Premium Stage 2025 ~綺羅星たちのうた~」では元宝塚歌劇団雪組トップスターの一路、元星組トップ娘役の夢咲ねねらも花を添え、坂本が華麗なステージを繰り広げた。
坂本は「初日の緊張感の中、お芝居と歌謡ショーをドキドキハラハラしながらお届けしました。皆さまの温かい拍手を力に、千秋楽まで駆け抜けていけたらと思っております。それでも途中で息切れしそうになったときは、また応援に駆けつけていただけるとうれしいです」とコメントした。
劇中、盲目の娘・ミロク(夢咲)が「大黒の海苔巻 品川巻」を売るシーンがある。今回、新歌舞伎座としては初の試みとして、この芝居で登場した小道具の「―品川巻」を、新潟の老舗米菓メーカーさくら製菓とコラボ。実際に新潟産の餅米100%を使用した『新歌舞伎座×さくら堂』のダブルネーム商品として劇場内で販売された。
新歌舞伎座では「こうした形で連動して物販するのは初めて。劇場は非現実の空間ですが、そこで“味覚の記憶"も楽しんでいただければ」という。劇場内のロビーには「―品川巻」をはじめ、さくら製菓の人気米菓を取りそろえたポップアップショップもオープンした。
公演は31日まで。