学生時代、『恋のおまじない』を試した人は少なくないだろう。成神じゅんさんの作品『使い切った消しゴムに求婚される話』は、おまじないをめぐって消しゴムが擬人化する恋物語だ。
主人公・七沢りんは、「消しゴムに好きな人の名前を書き、誰にも見られずに使い切ると両想いになる」という恋のおまじないを試していた。ところが「大輔」と書いた消しゴムを使い切った翌日、りんの前に現れたのは『消しゴムの神様』を名乗る青年だった。彼は伊礼真白と名乗り周囲の記憶を消し、りんと同じ学園に通い始める。
そこに幼馴染の大輔も登場。りんをめぐる恋は、真白と大輔との三角関係へと発展していくのだった。
そんなある日の放課後、大輔はついにりんに告白。しかし、りんの心はすでに真白に傾いていた。真白は一度は自分の存在を消してしまうも、りんの真っ直ぐな想いに応え再び彼女のもとへ戻ってくるのであった。
同作について、作者の成神じゅんさんに話を聞いた。
実は大輔より真白の方が先にりんを好きになっていた
―なぜ消しゴムを擬人化しようと思ったのでしょうか?
昔話で『鶴の恩返し』というお話がありますが、あれも一種の擬人化として、恩を返しに人間の姿になって尋ねてきますよね。
ある日ふとそのことが過ぎり、学校生活で馴染みがありつつ擬人化したら消しゴムなら意外性が出るんじゃないだろうか?と思い、描いてみました。
―恋のおまじないについて、成神さんご自身に思い出や体験はありますか?
私自身には特にありませんが、このおまじないはたしか少女向け漫画雑誌から知ったように思います。
―りんは大輔ではなく真白を選んだ想いや経緯をお聞かせいただけますでしょうか?
実は、消しゴムを最後まで使い切る事って、簡単なようでなかなか難しい事だと思うんです。しかしりんは消しゴムをさらっと使い切り、感心した真白はりんに心を寄せます。
また、冒頭の消しゴムを消し切る→真白が心を寄せる→消しゴムに力が宿り、大輔がりんを意識し始める…という順番になっていて、実は真白の方が、大輔より先にりんを好きになっているのです。
―最後に、読者の方々へメッセージをお願いいたします。
これからも新たな読み切りや短編漫画をXにて掲載予定ですので、是非楽しみにしていただけましたら嬉しいです!
お読みいただきありがとうございました。
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