オーダースーツの製造・販売をする「オーダースーツSADA」の佐田展隆社長(50)がこのほど、今年12月に南米最高峰・アコンカグアに、「自社のスーツ」を着て登頂を目指すことを発表した。同氏はこれまでに日本最高峰の富士山(3776m)、西ヨーロッパ最高峰・モンブラン(4806m)、アフリカ最高峰・キリマンジャロ(5895m)などの登頂に同条件で挑戦し、成功を果たしている。
佐田氏は「オーダースーツの良さや機能性をいろんな人に知ってほしい」という一心で、2013年から自社製品を着用してさまざまな“ムチャ”な挑戦を行ってきた名物社長。登山の他にも、スーツを着た状態でのスキージャンプや東京マラソン、スキューバダイビングなども行い、その様子が同社のYouTubeチャンネルなどで公開されて注目を集めている。
今回挑戦を発表したアコンカグアは、アルゼンチンとチリとの国境付近に存在する南米大陸最高峰の山(6960m)。お笑い芸人のイモトアヤコがテレビ番組で挑戦し、登頂直前で断念した山としても知られる。
もちろん生半可な挑戦ではないのは事実で、準備や安全面は十分に配慮を行っている。今年だけでも同条件での予行演習として、鷲羽岳(2924m)、水晶岳(2986m)などに挑戦。低酸素トレーニングも並行して行う予定だという。
また挑戦のモットーとして「必ず腕の良いガイドやサポートについてきてもらうようにしています」と佐田社長。「天候も無理をしない。ある程度の雨はまだよいが、雷での稜線(りょうせん)歩きは絶対にしない。風についても、モンブランと厳冬期の木曽駒ケ岳では風速50m近い風にたたかれてきた。普通に行くならば、あのくらいが限界だと考えている」と経験則からの見極めも十分だ。
年末の挑戦に向けて「インナーとしてでも良いので、自社スーツを着ていつの日かエベレストに、という私の夢に向けての重要なステップ。ここまでもタレントのイモトさんが登った山に登ってきたが、いよいよイモトさんが撤退した山に挑むことになり、気持ちを引き締めています」と気合ばっちり。「アコンカグアは登頂成功率30%の山だが、社員たちの期待に応えるためにも、何とか登頂したいです」と意気込みも語っていた。