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興収75億突破!映画「国宝」“聖地巡礼”撮影現場の永楽館がアツい

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
「国宝」の藤娘の場面で登場した永楽館の花道
「国宝」の藤娘の場面で登場した永楽館の花道

 映画『国宝』が大ヒットし、興行収入100億円を突破する見通しとなってきた。6月6日の封切りから、7月28日までの公開53日間で、観客動員538万人、興行収入75億円を突破した。

 そんな「国宝」の撮影現場のひとつとなったのが、明治に開館した近畿最古の芝居小屋である兵庫県豊岡市出石の永楽館だ。“但馬の小京都”とも呼ばれる出石にあり、昭和中期に閉館したが、平成の大改修を経て2008年に再び芝居小屋として復活した。

 映画では舞台はもちろん、楽屋などでも撮影。藤娘で使用した花道も、永楽館のもの。現在「国宝」の聖地のひとつとして、映画ファンも多く駆けつけている。現在工事が入っているが、8月5日から再び公開が始まり、「国宝」のセットはそのままに、さらに古道具も加えバージョンアップ。映画の世界が堪能できる。関係者によると、若い女性だけでなく、これまであまり姿を見なかった若い男性の姿も見られるようになったという。

 そんな聖地で、実際に歌舞伎も鑑賞できる。片岡愛之助が座頭となり、2008年の永楽館復元・こけらおとし公演から、コロナ禍による開催中止を除き、毎年開催している「永楽館歌舞伎」で、今年は9月30日~10月5日。古い劇場らしく、客席も靴を脱いで上がる。枡席などもあり、古式ゆかしい観劇スタイルも堪能できる。今回は15回目ということで、愛之助や中村壱太郎らが中心となり、おめでたい「寿曽我対面」や「口上」、豊岡のこうのとりを題材にした「神の鳥」が上演される。

 永楽館が「国宝」で脚光を浴びていることに、映画を鑑賞した愛之助は「永楽館発見!っと、懐かしい気持ちになった。聖地巡礼じゃないですが、永楽館にいらっしゃっていただいているのもうれしい」と笑顔。「ブームが起きると、いろんなところに余波があらわれる。こういう形で若い方にも歌舞伎に興味を持ってくれるのはありがたい」と語る。

 日本舞踊吾妻流の七代目家元・吾妻徳陽として振り付け等にも関わった壱太郎も「若い人になかなか歌舞伎が浸透しなかった。だけど映画のおかげで歌舞伎を知ってくださった。今回だけのムーブメントで終わらせたくはない」と決意を見せている。また高校生だった第1回公演から永楽館歌舞伎に出演しているだけに「本当に永楽館が出てきたのはうれしかった。舞台の裏に楽屋があって、携帯も切らないといけないし、話しもできない。そこが映っていたのが懐かしかった」とリアルな永楽館の楽屋を明かす。さらに「私たちもお客様も、永楽館ならではの芝居体験をしていただける」と近畿最古の芝居小屋ならではのよさをアピールしていた。

 永楽館のある出石まで大阪・神戸・京都から約3時間、東京からだと永楽館関係者も「『国宝』をきっかけに、これまでとは違った層のお客様にも来ていただけるようになりました。『国宝』の展示もまだまだ続けますので。ぜひ古い劇場を堪能していただければ」と呼びかけている。

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