参院選(20日投開票)に社民党から比例代表候補として出馬し、当選した俳優・タレントのラサール石井(69)が21日、都内で会見し、同日の早朝4時過ぎに当確が出た時の心境や今後の抱負を語った。
午前11時、石井は社民党の福島瑞穂党首、服部良一幹事長と共に、スーツ姿で会見場に登場。神妙な表情で「本当にギリギリまで気をもむ選挙でしたが、朝まで起きて当確が出た時に連絡をくださる芸能人仲間、演劇人仲間がいて、応援いただいた。土壇場でなんとかはい上がり、(午前4時過ぎの会見を終えて)外に出た時の、あの夜明けは一生忘れられない夜明けでした。これを機に社民党の夜明け、そして国の夜明けをつくるのに頑張っていきたい。まだ、明けやらぬ暗い空気が(社会に)漂っているように感じていますので」と思いを吐露した。
仮眠中、自身のLINEには100件ほどのメッセージが届いていたという。石井は「それを見てしまうと既読になって返事を返さないように思われるので、まだ開けてないんです」と明かしつつ、「ただ、村上ショージさんからは来ました。『影ながら応援してたで~』…」と、芸人として活動を共にした同い年の盟友からのメッセージを明かした。
また、福島党首からは社民党が公職選挙法における国政政党の条件となる「得票率2%」をクリアしたことが報告された。
石井は選挙戦中の演説で「いま社民党は崖っぷちにいます。2%の得票率がなければ政党要件がなくなって、80年の歴史が終わってしまう。『護憲と平和』を掲げる社民党がなくなったら日本の底が抜けるんですよ」と訴えてきた。その知名度もあり、結果として、同党にとって〝救世主〟的な存在となった。
石井は「複数当選はできなかったが、ワンチームで一緒に戦い、悔しい思いをなさっている候補者の皆さんのためにも、小さくても声を出して、その声が波及して大きな力になるように頑張っていきたい」と当選がかなわなかった仲間を気遣いながら、「国会の改憲勢力が三分の二を超えて、『護憲、平和』ではない方に向いていきそうな状況だが、なんとか食い止め、戦争をする国にならないように尽力したいと思っています」と決意を新たにしていた。