4000年前の日本人もイカが大好きだった!マニア垂涎、縄文時代のイカ型土製品が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

縄文時代後期に作られたイカ型土製品がSNS上で大きな注目を集めている。

「約4000年前に作られたイカ形土製品...の複製
これのために古代DNA展見に行ったといっても過言ではない
土をイカの形にし、イカに祈っただれかがおそらくいたという証」

とその姿を紹介したのはイカ愛好家のべるしそらさん(@ikas9uidcalamar)。

べるしそらさんが訪れたのは旧石器時代から古墳時代まで、ゲノム解析の最新研究成果で古代人の謎に迫ろうというテーマで開催中の国立科学博物館特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」。現代の日本人もイカが大好きだが、4000年前の日本人も土人形を作るほどにイカを愛していたとは…。

べるしそらさんにお話を聞いた。

ーー古代DNA展に足を運ばれた経緯は?

べるしそら:この「イカ形土製品」はイカが好きなマニアたちの間でかねてから知られていましたが、実物は発見地でもある北海道森町まで足を運ばないと見られないので実際に見に行くことは難しく思っていました。

今回、古代DNA展に関連して、複製ではありますがイカ形土製品が展示され、また古代DNA展のグッズのデザインにもイカ形土製品が登場すると知り、ほとんどイカ形土製品目当てで見に行きました。

もちろん当該展の趣旨である、DNAを読み解いて分かった古代の日本人の来歴や営みにも興味があり、むしろそうしたテーマの一環としてイカ形土製品が取り上げられていたことも嬉しく思いました。

こちらはこぼれ話ですが、このイカ形土製品のオマージュで3Dプリンタでイカの胴体を模した小さな中空のオブジェを作りました。縄文時代の技術では土で作られたものに対し、4000年後の未来人として、この時代の技術でイカを模るというコンセプトでした。これを一緒に写真に収めたいという趣旨もありました。

ーーイカ形土製品をご覧になったご感想は?

べるしそら:実際に色々な角度から見てみると、やはりイカそっくりな形でした。全体的に流線形で、ヒレのような部分の形は菱形に近く、イカを模したのだとしたらよく観察して作られたもののように思います。

展示解説にもありましたが、縄文時代には動植物を模した土製品が多く制作されており、これらは人を模した土偶同様生命の循環や再生を祈ったものだと考えられており、これが作られた本当の意図はもう製作者に聞くことはできませんが、のちにいかめし発祥の地となる北海道森町ほどイカ消費と関係のある場所からイカそっくりの形をした土製品が見つかったのは単なる偶然とは思えませんでした。

青森県の三内丸山遺跡からイカの顎板(カラストンビ)が多数見つかっているように、イカは縄文時代にはすでに食用利用されていた事実もあります。この土製品も、イカに対する何かしらの祈りを持ってイカそっくりに誰かが作ったことを4000年の時を超えて伝えてくれるているものかもしれない。そう思うと、イカはしっかりと人の営みの歴史に爪痕ならぬ吸盤の痕を残しているかのようで嬉しく思いました。

ーーご投稿に対し大きな反響がありました。

べるしそら:予想以上の反応で驚きました。先述の通りイカは古くから日本人に食材として利用されその存在を知られてきました。食材としての価値を超えたイカへの親しみや、ある種の愛が自然と現代日本人にも息づいているかのようです。生き物としても食べ物としても魅力的なイカを推す身としてはやはり嬉しく思いました。

時を超えて日本人に愛されるイカも、現在では資源量の問題に直面し不漁となりピンチに陥っています。イカがより深く理解され、今からさらに4000年後も日本人がイカを話題に笑えるようであってほしいと願います。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「古代人『脚が十本ある墨を吐く異形の生物…でも食うと美味い!フィギュアにしたろ』」

「イカが美味しかったからこれ美味しいよみたいなマークかもしれない」

「イカフィギュアを作りたかっただけの可能性も微レ存」

「これでご飯たいてたらすごい(イカ飯)」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。古代DNA展は6月15日まで開催。ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。

べるしそらさん関連情報

Xアカウント:https://x.com/ikas9uidcalamar

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