最近、小惑星が地球に衝突するかもしれないというニュースを目にする機会が増えた。米航空宇宙局(NASA)の見解によると、2032年に地球に衝突する可能性のある小惑星が見つかり、実際に地球に小惑星が衝突する可能性はゼロではないとのこと。もし本当に衝突したらと考えると、不安を感じざるを得ない。
ただ小惑星ではなく隕石であれば、実は毎年のように地球に飛来している。インターネットで調べてみると、実際に火球を目撃したという情報はほぼ毎日報告されている状況だ。では、もしも自分が隕石らしき物体を目撃した場合、一体どうする必要があるのだろうか。
隕石の所有権について、まこと法律事務所の北村真一弁護士に確認してみたところ、「隕石は宇宙から飛来した物体であるため、所有者のない動産だとみなされる可能性が高い。したがって隕石は拾った人の所有物になるのが一般的です。ただし隕石が地面に埋まっていた場合は、その土地の所有者の物になる可能性が高いため、埋まっている隕石をむやみに拾得しないほうがいいでしょう」とのことだった。
では実際に隕石を見つけてしまった場合、どうしたらいいのだろうか。隕石は地球外の物質の情報を持っている可能性があり、学術的な価値が高いと判断される場合もある。したがって隕石らしきものを発見した場合、まずはその場所の管理者や最寄りの博物館、大学の研究機関などに連絡を取ることをおすすめする。
発見したら研究機関などに連絡するべきではあるものの、「拾った隕石を転売して一儲けできるのでは?」と考える人もいるだろう。買取専門店「買取大吉」によると一般的な隕石の場合、100gあたり1万円〜10万円程度が買取相場であるとのこと。しかし拾った隕石を転売するのは現実的には困難と思われる。
理由は、物体が本当に隕石であるという鑑定が必要となるし、仮に隕石であってもありふれた種類の隕石であれば高価にはならないからだ。それでも世界に類を見ない隕石を見つければ巨万の富が手に入る可能性はゼロではない。実際に世界を飛び回る隕石ハンターは存在しており、NHKの番組として特集されるくらいだ。
宇宙から飛来する隕石には、太陽系の成り立ちや地球外生命の存在を解き明かすロマンを感じさせる。そうそう目にかかることはないだろうが、もし流れ星を見かけたら足を運んで落下地点を探しに行ってみてはどうだろうか。もし隕石を見つけたら冷静に対応してほしい。