歌手のビヨンセが今週、ロサンゼルスで開催された「カウボーイ・カーター・ツアー」オープニング公演で楽曲「ドーター」を披露した際、約3万5000個のフルカラーLEDを搭載したドレスを着用した。衣装は、日本のブランド「アンリアレイジ」のデザイナー、森永邦彦氏が手掛けたもので、LEDを生地に組み込む技術を持つMplusplusと共同で制作された。
森永氏はWWDへのメールで、「オファーを受けた後、チームとともに日本とロサンゼルスを行き来し、オリジナルの衣装をデザイン・制作しました。結果として誕生したのが、液晶画面のように色や模様を自在に変化させる『LEDテキスタイル』を使用したクリノリンドレスでした」「スタジアムでの視認性を確保するため、LEDデザインのグラフィック要素を拡大し、明るさを細かく調整しました」「ドレスの照明とステージ照明の同期が不可欠だったため、両者の相互作用を完璧にするため綿密なリハーサルを実施しました」と説明している。
そして森永氏は、ビヨンセがこの衣装を着た瞬間、「ファッションを超え、文化と歴史の一部になった」と強調、「唯一無二の衣装を生み出すことこそ、私にとってファッションデザインの本質。ビヨンセは創造の持つ真の力を常に示してくれる」と語った。
ステージ上でドレスはタータン柄からブルー、赤のスパンコール、黒のレース、ゴールドの輝きへと変化、森永氏は「まさに壮大な視覚パフォーマンスだった」と振り返っている。