俳優のティモシー・ダルトン(78)は当初、「007」シリーズの4代目ジェームズ・ボンド役のオファーを断っていたという。ロジャー・ムーアに続いて1987年の「リビング・デイライツ」と1989年の「消されたライセンス」でボンドを演じたティモシーだが、初代のショーン・コネリーの後釜として演じるチャンスを蹴っていたそうだ。
ティモシーはヴァニティ・フェア誌にこう明かす。「ショーン・コネリーが離れる時、オファーとは言えないかもしれないけど、やりたいか否か聞かれたことがあった。24、5歳の年齢では相応しくないと思い、ノーと答えたんだ」
ボンド役は、より年齢を重ねた地位も確立されている俳優向きと感じたというティモシーは「あの若さでも演じられるだろうけど、信ぴょう性があるかどうかはわからないね」と続ける。
さらに1962年から1978年まで同シリーズ7本に出演したショーンの後釜に、気後れしたこともティモシーは認めた。「(ボンド役のチャンスを蹴ることは)簡単だったね。本当に素晴らしすぎたショーン・コネリーの後を継ぎたくはないし、私は13歳か14歳の時からこの役を見ていたんだ。しちゃいけないってなるよ」。
その後2作品でボンド役を務めたティモシーは、またとないキャリアの機会だったと振り返っている。「私はロンドンのウエストエンドにあるヘイマーケット劇場で『じゃじゃ馬ならし』と『アントニーとクレオパトラ』(シェイクスピアの戯曲)をやっていた。(ボンド役)を追いかけていたわけじゃなかった」「(4代目のボンド役オファーについて)ホテルの部屋で『一体どうしたらいいんだ?』って感じたのを覚えている。『一生に一度のことだ』って」「『他のことをやれ』か、『一生に一度のことをしてから他のことをやれ』なのか。『行って、それをやるんだ』ってなった」と語る。
ダニエル・クレイグ版ボンドの原型として比較されることの多い自身のボンド役について、ティモシーは「多くの問題に直面するよ。誰かの後を引き継ぐわけだから。コピーはしない。危険なことだ。ボンド映画を見たことのある世界中の人々が、それについて何らかの見解を持っていることを忘れてはならない。驚くべきことさ」「(自身のボンドについて)とてもうまくいっているものもある。多くを私は気に入っているよ」と話した。