デビュー50 周年を迎えた⼥優・歌⼿の島⽥歌穂が21、22の両日、東京・青山のスパイラルホールで、ピアニストで作編曲家の夫・島健と14回目となる「Duo Xmas Special」コンサートを開催する。11月にリリースされた⾃⾝初のディズニー公式カバーアルバム「島⽥歌穂・シングス・ディズニー」のサウンド・プロデュースも務めた島とは結婚30周年の節目でもある。島田にこれまでの足跡や今後の活動への思いを聞いた。
10月に配信リリースされた「ウェルカム・トゥ・クリスマス(2024)」のジャケットには、ピアノや母の編み物などと共に、ロビンちゃんにちなんだ「トウ・シューズ」が思い出の品として描かれている。
「ロビンちゃん」とは、NET(現テレビ朝日)系の特撮ドラマ「がんばれ!!ロボコン」(1974年10月~77年3月)のヒロインとして、島田が演じた金髪のバレリーナ少女(設定はロボットからバレリーナ星の姫に変更)。島田は「私が小学5年から中学1年までの2年半に放送され、最高視聴率が29%台だったと記憶していて、すごいことだったんだなと思います。今も、ある世代から上の方は知ってくださっています」と懐かしんだ。
子役とアイドル期を経て、代表作となった「レ・ミゼラブル」などで舞台女優として頭角を現し、歌手としても80年代末にNHK紅白歌合戦に2年連続出場。90年代はTBS系ドラマ「HOTEL」の主題歌「ステップ・バイ・ステップ」などヒット曲も生まれた。
充実期にあった94年に島と結婚。親交のある和田誠&平野レミ夫妻が媒酌人を務めた。同年から始まった「島田歌穂&島健Duoコンサート」は現在まで全国200か所以上で公演し、延べ10万人以上が来場。09年開始の「Duo Xmas Special」コンサートは毎年12月の恒例となっている。
島は幅広いジャンルのアーティストの編曲やプロデュース、舞台やテレビドラマなどの音楽を手がけ、サザンオールスターズの「TSUNAMI」(弦編曲)、浜崎あゆみの「Voyage」(編曲)はいずれもレコード大賞を受賞。デュオ公演でも夫婦で多彩な音楽性を披露している。
「私のレコーディング現場に、たまたま、その時に参加していたギタリストに用があった島健が訪ねてきて、そこで紹介されたのが出会いでした。その数日前に放送された(テレビ朝日系)『徹子の部屋』の私の出演回を観て印象に残っていたらしく、挨拶した時に『僕、徹子の部屋、見ました』というのが初めてのやりとりです。初めて彼のライブに行った時、とにかくピアノの音色が衝撃的で、『この人のピアノで歌ってみたい』と思った。ピアノにだまされてしまったというか(笑)。そうして一緒に音楽を作り始め、プライベートでも一緒になって、30年後の今も一緒に作品を作れることはうれしい限りです」
島田には大阪芸術大学の教授という顔もある。
「舞台芸術学科のミュージカルコースです。2003年から通わせていただき、数えると21年、ビックリですね。私は生まれも育ちも東京ですが、母が元タカラジェンヌで家ではたまに大阪弁になることもあり、小さい時から耳になじんでいましたし、大阪は公演も多いですし、知人も多くて大好きな街。ご縁を感じます。最近はミュージカルの舞台で教え子たちと共演することも多くなり、うれしい一方、『授業で言ってたことを私はできてるだろうか?』と身の引き締まる思いです(笑)」
節目となった記念イヤーからの折り返し。新年を前に思いを語った。
「女優として舞台に、歌手としてコンサートに、両輪で歩んでこさせていただきました。出会いのチャンスに恵まれ、途切れずにいろんな活動に挑戦させていただいてきたなと、この半世紀を振り返った時に改めて感謝の思いでいっぱいです。とはいえ、これも通過点。また、60周年、70周年と…、ちょっと気が遠くなりそうですが(笑)、使命をいただける限り、ステージに立って表現できる自分であり続けたいです」
2月には改装前のラストの公演となる東京・帝国劇場でのコンサートに出演する。
「レギュラーメンバーとして全日出演なので、体が持つかと(笑)。これからも、健康第一。家ではしっかり玄米を炊いて、納豆も毎日食べ、油ものは体が疲れますので控えて。お酒もすごく好きだったんですけど、今は飲んでいません。島健も70代半ばになりますので、時間がある時は一緒にウォーキングしたりして。元気に頑張っていきたいなと」
〝ロビンちゃん〟の頃から変わらない、つぶらな瞳を輝かせた。