国民民主党の榛葉賀津也幹事長が13日、定例会見を行い、自民党の宮沢洋一税調会長の発言に苦言を呈した。
今月11日に自民、公明、国民民主の幹事長が「年収103万円の壁」について協議し、「178万円を目指して来年から引き上げる」と合意していた。これに対して宮沢氏は、「103万円の壁」問題はそれぞれの党の税調会長で協議を進めていたものだとして「釈然としない」となど不満を示していた。
榛葉氏は会見で宮沢氏を「税に関してこの方の右に出る者はいないし、ミスター税調というか、ミスター財務省と言ってもいいかもしれません」と税のスペシャリストであると表現。続けて「党のナンバー2である幹事長が合意をしたんですよ。その(幹事長の)もとでそれぞれ税の専門家として仕事をされている方々が、幹事長が決めたことに対して『釈然としない』と言われると、党のガバナンス(統制、管理)としてどうなのかなと」と宮沢氏の発言にチクリと疑問を投げかけた。
さらに、自民党の強さの理由の1つとして「確固たるガバナンス」があることだと指摘。その上で「ここのところのさまざまな発言を見ていると、自民党も少しガバナンスが緩くなっているのかなと思います」と苦言を呈した。
国民民主の古川元久税調会長や浜口誠政調会長が、榛葉氏が決めた合意に「釈然としない」と言うことはないと説明。「幹事長が決めたことに従ってつかさつかさで議論をしていく。それが小さくても我が党のガバナンスです」と断言した。「幹事長会談がピン留めされましたから。それに沿って党運営をして頂きたい」とくぎを刺した。
しかし、13日に自民・公明両党は、所得税がかかる年収の最低ラインを103万円から123万円に引き上げる案を国民民主党に提示。「基礎控除(48万円)」と「給与所得控除の最低保障額(55万円)」をそれぞれ10万円ずつ引き上げる案を示した。国民民主・古川氏は「グリーンも全然見えないような距離しか飛んでない」とゴルフに例えて大きな隔たりがあると批判。宮沢氏は「誠意を見せたつもり」と返すなど、攻防が続いている。