日本漢字能力検定協会は12日、1995年に始まり30回目を迎えた世相を1字で表す「今年の漢字」が「金」に決まったと発表した。「金」が選ばれるのは今回で5回目。それに併せてZ世代や企業などに「今年の漢字」を調査すると、意外な「共通点」が見いだされた。
MERY社によると、Z世代の男女300人に対して「あなたにとっての今年の漢字」を調査した結果、1位には世相と同じく「金」が選ばれた。日本漢字能力検定は「金」が選ばれた理由について、「パリ五輪・パラリンピックの金メダル獲得などの『光の金』と、政治の裏金問題や金目当ての闇バイト強盗事件などの『影の金』という二つの面で注目が集まった」と説明。Z世代はオリンピック以外にも、「新紙幣の導入や円安、政治の裏金問題など、お金に関わる印象的な出来事が多く見られた」という背景を鑑みたとMERY社は説明した。ちなみにZ世代の2位は「変」、3位は「楽」。自身のライフスタイルに関連したコメントが多く見られた。
また帝国データバンク社が企業(1320社)に対して、「今年の漢字」について調査した結果、1位は「変」となった。選んだ理由としては「アメリカ大統領や日本の首相が変わり、世の中の仕組みも変化が激しい」(化学品製造)、「変わらなければ埋没してしまう」(医薬品・日用雑貨品小売)など。国内外の様々な変化に直面するなかで、企業も前向きに変化した1年であることを示していた。次いで2位に「耐」、3位には「忍」が続いた。
2023年は消費税のインボイス(適格請求書)制度導入などを理由に「税」が選出。ちなみに過去に「金」が選ばれたのは2021年(東京五輪)、2016年(リオ五輪)、2012年(ロンドン五輪)、2000年(シドニー五輪)。五輪が理由の多くを占めている。