元検事の郷原信郎弁護士(69)と福永活也弁護士(44)が7日に配信されたYouTubeチャンネル「ReHacQ-リハック-」に出演した。
郷原氏は、神戸学院大の上脇(かみわき)博之教授(66)とともに、兵庫県の斎藤元彦知事(47)とPR会社の女性社長を公職選挙法違反(買収と被買収)の疑いで刑事告発。告発状を送付した段階でネットで会見し公表していた。
福永氏との討論の中で郷原氏は、斎藤知事に対するパワハラなどの報道について「取り上げ方に問題があるんじゃないか」と疑問を提示した。一方で選挙後に浮上した公職選挙法違反の疑惑については「こだわりたい」と意欲をみなぎらせた。
MC役を務めた「ReHacQ」プロデューサー・高橋弘樹氏が告発の目的を尋ねると、郷原氏はPR会社社長の「note」への投稿と斎藤知事の代理人・奥見司弁護士の会見の内容に齟齬があることを指摘。「公選法違反・買収の嫌疑がどの程度あるのかということが問題であり、そこで私と上脇先生で証拠を整理して『こういう風に認定できるのではないか』と事実認定上、法律適用上の意見を述べて告発をしたということ。そういう意味では法律上、事実認定上の主張なんですね」と説明した。
斎藤知事が大きな注目を集めていたタイミングでもあり、告発したことは大きく報じられた。告発状を郵送したことを公表し、告発状も公表したことの意図については「警察、検察は分かってるわけですね、こういう嫌疑は。ただ、こうやって告発したことによって世の中が『こういう事件なんだ』と、『こういうところが問題なんだ』と、『ここが嫌疑の根拠なんだ』ということを知ると、多くの関係してる人が『捜査に協力をしたい』という気持ちを持つということもあり得る」と説明。事件が認知されることによって「捜査を前に進めることになると期待しています」とした。
斎藤知事が自ら説明せずに奥見弁護士に任せていることに対しての報道にも不満を示した。「オールドメディアの記者たちはろくな追求もしない。だから『こんなままで終わらせてはいけない』ということで告発するしかないと思った」と行動に移した意図を明かした。
さらに、自身が検事としての定年を過ぎているとした上で「できることなら神戸地検に行ってね、検事の職を持って捜査をしたいですよ。もっともっと証拠を収集してはっきりさせられるかもしれない」ともどかしい思いを吐露。「『これだけの犯罪の嫌疑があるじゃないか』ということを告発状で表現して提出したということですよ」と古巣の検察にハッパを掛けるように語った。