犬や猫といった動物を家族として迎え入れる人は決して少なくない。しかし中には、勝手な理由で飼育を放棄するケースもあるのが現実だ。
漫画家・常喜寝太郎さんの『全部救ってやる』は「裏サンデー」にて連載されている作品で、殺処分される犬や猫を減らすために日々奮闘する人たちの様子が描かれている。その中の一部の話を切り取った『ペットショップに犬を大切に飼えない客が来たら…?』が、常喜さんのX(旧Twitter)に投稿されると約4000件の「いいね」が寄せられた。
犬を“ファッション感覚”で扱う客がペットショップに来店し、何とか周りが犬の購入を阻止するために奮闘。読者からは「本当にこういう客がいなくなること願う」「マジでほっとした…」などの声が。作者の常喜さんに同作を描いたきっかけについて話を伺った。
―『全部救ってやる』を描いたきっかけを教えてください。
知人の保護活動者が、保健所の話をしていたことが大きいです。当時高校生の僕は猫を飼っていたこともあり、動物の裏側も知っておきたい気持ちはありましたが、“殺処分”のイメージが怖く、見ることを避けてきました。大人になった今、僕と同じ気持ちの人が多いことを知り、勇気を出して描いてみようと思いました。
もう一つのきっかけは、別の保護活動者の方とカフェでお話してる時に急にその人が外に飛び出し、窓に張り付いていたカマキリを捕まえて林にリリースしてたのを見たことです。そのインパクトある行動を見た瞬間、多くの人の興味を引ける漫画が描けると思いました。
―常喜さんがペットショップに対して思うことをぜひ教えてください。
ペットショップの資料写真を撮りにいった際、父親がお子さんに「どれがええねん?」と服を買う時のように言ってるのを見たことがありますが、「命を飼う」のと「物を買う」のでは全く違うということに気づいていない人が実は多いんじゃないかと感じています。
ペットショップ側は、買う人を選べない仕組みです。ビジネスである以上は、利益を追求する部分もあって仕方ないと思うのですが、物ではなく命を取り扱っていることを前提理解としたうえで、より良い形にシフトしていって欲しいと思います。
かといってペットショップを反対するわけではなく、動物との出会いの多くはショップにあるのが現状です。売る側も、飼う側も“命”を背負ってる意識がある人同士で縁がつながればいいなと思っています。
―読者に向けてメッセージをお願いいたします。
今は、身近な動物(犬やネコ)を中心に描いていますが、作品の人気が出て連載が続いていけば、動物園、水族館の海の保護活動、家畜、バードストライクを防ぐための野鳥調査をなど、動物と携わる様々な人達のことももっと取り上げたいと思っています。今後も『全部救ってやる』の応援をよろしくお願いいたします!
<常喜寝太郎さん関連情報>
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▽「裏サンデー」で連載中の『全部救ってやる』