近ごろ、飲食店における注文方法が大きく変化してきている。これまでは店員を呼んで口頭で注文する方式が主流だったが、最近ではスマートフォンを使って直接注文する「スマホオーダー」システムを採用する店が増えてきている。しかし利用者からは必ずしも歓迎の声だけがあがっているわけではないようだ。では利用者からは実際にどのような意見が出ているのか、LINEを活用したスマホオーダーシステムの現状も含めて探ってみよう。
まずはスマホオーダーの利用手順を振り返る。利用手順は以下の通りだ。
1.店舗に設置されたQRコードをスマホで読み取る
2.表示されたメニューから注文したい商品を選択する
3.決済方法を選び、注文を確定する
スマホの普及が進んでいる昨今なら、多くの人にとって抵抗なく利用できる仕組みといえる。ただ一部の店舗で利用されているLINEアプリを介した注文システムには、利用者からの不満の声があがっている。
たとえばLINEアプリを介した注文システムの場合、店舗のLINEアカウントと友達登録が必要で、これを煩わしいと感じる人もいるようだ。一度友達登録をしてしまうと、店舗からのメッセージが送られてくる場合も多い。複数店舗を利用する人にとっては不要なメッセージが増えてしまうし、そもそも旅行先で行った店など一度しか行かない店でも友達登録させられることに不満を感じるのは理解できる。
ほかにもプライバシーへの懸念を抱く人や、通信費用が気になるという人の声が見られた。店に入る前にLINEのオーダーシステムを使っていることがわかっていれば、入店しなかったという人もいるほどだ。
ただスマホオーダーを導入すれば注文業務が削減され、人件費削減にも直結する。もし利用者の利便性と店舗の利益を両立させるのであれば、次のような取り組みが必須になるのではないだろうか。
・店舗入口でのシステム明記
・フリーWi-Fiの設置
・LINE登録を必須としない選択肢の提供
また、LINEで店舗を登録しても、食事を終えた後にアカウントをブロックすることで、不要なメッセージが来ることは止められる。もしメッセージがイヤという人はこの対応をすることで不満を抑えられるのではないだろうか。
スマホオーダーシステムは時代の流れであり、今後も広まっていくだろう。むしろ、その流れに逆らわず個人の判断で適切に利用していくことが重要だろう。店舗側も利用者の声に耳を傾け、より良いシステムづくりに努めることで双方にとって有益なサービスとなることを期待したい。