急転「出馬しない」会見 準備着々だった秋元司容疑者「ウグイスの方に申し訳ない」ビラ配布も止まらず

澤田 英延 澤田 英延
秋元司容疑者=江東区文化センター
秋元司容疑者=江東区文化センター

 カジノを含む統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で、収賄や組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の罪に問われ、上告している元衆院議員、秋元司被告(52)が10日、都内で会見し、衆院選(27日投開票)に出馬しないことを公表した。

 自民党の議員として過去には国土交通副大臣兼内閣府副大臣兼復興副大臣、環境副大臣兼内閣府副大臣なども務めたが、2019年に汚職事件が取りざたされ、離党した。今年4月の東京15区の補選には無所属で出馬し敗れていた。今回の選挙で、東京15区の自民党の公認候補はNPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏(25)となることが確実視されている。

 会見をセッティングした時点で、無所属で出馬表明するとみられていたが、秋元被告は「15日からの選挙戦には出馬を見送りをさせていただいて、そして、来たる衆議院選挙に備えていく」とまさかの不出馬宣言。驚く報道陣から「いつ見送りを決めたのか」と質問され「今日の(午後)1時です。スタッフたちもまったく知らない状態で、会見を見てびっくりしてるのはわたしのスタッフだと思います」と、会見開始1時間前の決断だったと明かした。

 「ポスターも作り終えて、ウグイス(嬢)のみなさんの配置も終えてます。14日までは政治活動もできますのでポスティング部隊もビラがどんどん入っておりますから。自分自身にもつらい、苦渋の決断でした」とすでに選挙に向かって動き出している中で決めたことも明かした。12日には決起集会も予定していたという。「ポスティングは(すでに動いているものは)止まらないので。ウグイスの方にも申し訳ない」と苦笑いだった。

 決断の理由については「『いたずらに票を割って、相手を利することになってしまうから、そこは慎重に考えて欲しい』という声が各方面から寄せられたという事実はあります」と説明。自民党支持者の票を公認候補に集中させたい意向がはたらいたことを示唆した。

 また、政治資金収支報告書の未記載を巡る、いわゆる裏金問題で一部の議員が自民党の公認から外されたことも影響したと語った。別問題ではあるが“金がらみ”で裁判の渦中にある秋元氏に「チャレンジをするのは裁判で白黒ついてからの方がいいのでは」という声も届いたという。

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