岸田文雄首相(67)の後継を決める自民党総裁選が27日、都内の党本部で投開票された。高市早苗経済安保相(63)と石破茂元幹事長(67)による決選投票に持ち込まれ、1回目の投票で2位だった石破氏が逆転で制した。
国会議員票368票と26日に締め切られた党員・党友票368票の計736票で争われた1回目の投票では、9候補いずれも過半数を獲得しなかった。181票を集めた高市氏と154票を集めた石破氏の上位2人による決選投票に。小泉進次郎元環境相(43)は3位に終わった。
決選投票は国会議員票368票と、各都道府県で党員・党友票が最も多い候補に1票ずつ割り振られる計415票で争われた。議員票と党員・党友票を合わせた票数は石破氏215票、高市氏は194票だった。
5度目の挑戦、かつ「最後」と位置づけて臨んだ総裁選。第28代総裁に選ばれた石破氏は「岸田総裁が大変な決意を持って総辞職を実施され、自由民主党が生まれ変われるように、もう一度国民の信頼を取り戻せるようご決断をなさいました。私ども一丸となって、それに応えていかなければなりません」とあいさつした。
「私どもは3年余、野にありました」と、野党時代を振り返った石破氏は「安倍総裁のもとで、私は幹事長を拝任し、自由闊達(かったつ)な議論ができる自由民主党、公平公正な自由民主党。そして謙虚な自由民主党。皆が心を一つにして、政権を奪還いたしました。もう一度その時に戻りたいと思っております」と語気を強めた。
10月1日の臨時国会で、第102代首相に指名される。石破氏は「国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語り、この日本国をもう一度、皆が笑顔で暮らせる、安全で安心な国にするため全身全霊を尽くしてまいります」と決意を語った。