初代タイガーマスクこと佐山聡が総監を務める「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレス」(SSRW)の東京・後楽園ホール大会が26日に開かれ、メーンでは第18代レジェンド王者の〝平成のテロリスト〟村上和成が〝サムライ〟船木誠勝を下し、初防衛に成功した。7分14秒、PKからのエビ固めで3カウントを奪取。次の対戦相手には〝ミスターIWGP〟永田裕志を指名した。
因縁を最高の形で振り払った。村上はリング上で「18年間の思い、全部を受け切ることがテーマでしたが、キツかったです。今後もプロレスの王者として、このリングに立ち続けます」と顔をゆがめながら胸を張った。2006年2月、プロレス復帰を模索していた船木と、自身が社長を務めたプロレス団体「ビッグマウスラウド」で一騎打ちを行う予定だったが、団体内のトラブルで船木が同スーパーバイザーだった前田日明とともに離脱し、対戦が立ち消えとなっていた。
対照的な両者だった。〝テロリスト〟の異名通り、ヒットマン風のダークスーツコスチュームの村上に対し、白い短パンにレガースと潔い船木。序盤から船木から巧みな関節技、掌底、ローキックで一方的に攻められたが、自ら自身のほおを張り、チンピラ風に「もっとこいや!」と前進して攻撃を受け続けた。そして6分が過ぎたころ、相手のハイキックを腕で抱え、もう一方の手で繰り出したパンチがヒット。ぐらつきヒザをついた船木にサッカーボールキック(PK)を決め、一瞬の隙を突いた大逆転星をつかんだ。
バックステージで村上は「全部受けきった上で絶対勝つつもりでした。4度ほど心が折れそうになりました。でも自分のテーマを貫いて、ラッキーなパンチが当たり、勝利に傾いた。実際は9割以上押されていたと思いますが、チャンピオンになったからには、今後ともお願いします」と声を弾ませた。
18年越しの因縁を精算し「日々弱い自分と戦うのに必死でした。オーバーワークをしてまで、自分を追い込めたのは、自信になりましたね」と感慨に浸り、「唯一、猪木さんに言われた『本能のまま戦え』というところですね」と、亡き恩師・アントニオ猪木さんへの感謝を口にした。
今後については「考えたくもない」と前置きした上で、「アイツが良しというのか、分からないけれど、この男と勝負したいね」と敬礼ポーズを披露。この日、同大会に初参戦していた新日本プロレスの永田裕志を意識したのは明らかで、「大阪でのタイトルマッチの借りを返したい」と、2002年10月に永田に挑戦して敗れたIWGPヘビー級選手権を意識。22年ぶりのリベンジに視線を向けていた。