ロングセラー駄菓子「ビッグカツ」を製造する食品メーカー「すぐる」(本社・広島県呉市)は、衣をつける前のビッグカツを「ビッグカツの肉」として8月5日から250袋限定で販売。同社の担当者によれば、3日間でほぼ完売するほど人気を集めたという。開発の背景や今後の展望を聞いた。
「ビッグカツ」は魚肉のすり身をシート状に成型し、パン粉をまぶしてカツフライにした商品。昭和から令和にいたるまで愛され続ける定番駄菓子だ。店頭に並んでいる「ビッグカツ」ももちろん美味しいが、一般的な揚げ物と同じく「できたてが一番美味しい」という製造元ならではの思いがあり、衣をつける前の魚肉シート「ビッグカツの肉」を開発。2020年5月に数量限定で発売したところ好評だったため、改良を加えて今夏に再販した。
1袋に入っているシートは2枚。ハサミで好きな形に切ることができる。1枚当たりは16×47.5センチで、これはビッグカツ15枚分に相当する。また「ビッグカツの肉」自体には既に火が通っているため、衣に火が通ればすぐに食べることができる。同担当者は「本来の『ビッグカツ』に使用されている『ビッグカツの肉』はそのまま食べると若干香辛料がきついため、香辛料の使用をおさえて代わりに出汁などを加えています。また、やわらかい食感になるよう少し厚さや柔らかさも変えています」と工夫を明かした。
発売開始の告知からわずか3日間でほぼ完売状態になる人気っぷり。最終的には、発売から18日後の8月23日に全250袋が完売した。購入者からは「普段お菓子を食べない息子がもくもくと食べていました」「子どもと一緒にハートとか星の形に切って楽しく作れました」などの声が届いたという。本来味わうことのないできたての美味しさ、誰もが知る駄菓子を作れる珍しさ、好きな形に切ることができる楽しさが子どもを中心に受けているようだ。
再販の予定は現状ないが、同担当者は「『再販することで誰にどんな笑顔をお届けできそうか』が見えてくれば、またいろいろと工夫をして取り組んでいきたいと思います」と先を見据えた。