パリ五輪の射撃混合エアピストルで銀メダルを獲得し、ラフなスタイルと冷静沈着な姿が各国のSNS上で話題となった「無課金おじさん」こと、トルコのユスフ・ディケチュ選手。しかし、ロイターの取材に応じると、見た目のクールさとは裏腹に「心の中で嵐が吹き荒れていた」と当時の様子を振り返った。
「あの瞬間、私はとても落ち着いているように見えたと皆が言うが、実際は私の心の中では嵐が吹き荒れていた。そのプレッシャーや緊張を表現するのは非常に難しい。穏やかさは外見だけで、現実はそれとは何の関係もない」と見た目とのギャップを明かした。
片手をポケットに入れて何気なく射撃するポーズは話題となり、SNSで次々と拡散された。ハイテクな装備を身に着けて競技に臨む選手が多い中、彼はシンプルな黄色の耳栓と普通の眼鏡をかけていただけだった。
そのスタイルは、他のアスリートたちの間でも人気になった。男子棒高跳びのアルマンド・デュプランティス選手(スウェーデン)は、世界記録を更新して五輪2連覇を達成した際、射撃ポーズの真似をした。ディケチュ選手は「トルコ国民として、トルコのアスリートとして、他の成功したアスリートがその動きを真似してくれたことをとても嬉しく思った」と語った。
また、ディケチュ選手は2028年のロサンゼルス大会で金メダルを獲得する準備ができているという。