パソコン上で設計した3Dデータをもとに、プラスチックや金属などの素材を溶かして、一層ずつ積み重ねることで立体の造形物を制作する「3Dプリンター」という装置がある。今後、さまざまな分野でこの装置を使った技術発展が予想されるが、未来の技術であり、一般人が使用できるようになるのは、先の話だと思っている人も多いだろう。
しかし近年では低価格な3Dプリンターが発売されはじめ、1万円代で購入できる家庭用タイプも存在している。これほど安く手に入るのであれば、子どもの夏休みの自由研究にも使えるのではないだろうか。
まずは子どもに「3Dプリンターってどうやって立体物を作ってるの?」と聞かれてもスマートに答えられるように、その仕組みと実際の利用者の作品について見てみよう。
そもそも3Dプリンターが立体物を制作する工程は以下の通りだ。
1.3Dモデリング:専用ソフトを用いて、作りたい造形物の3Dデータを作成する。
2.データ変換:3Dデータを、3Dプリンターで使用できる形式に変換する。
3.印刷:3Dプリンターに素材をセットして、変換データに従い印刷が行われる。
4.冷却・取り出し:印刷が完了したら、造形物を冷却しプリンターから取り出す。
3Dモデリングさえできれば、自分のアイデアを簡単に立体化できることもあり、3Dプリンターによって作られた作品をSNS上で公開している人もいる。
例えば、台所の限られたスペースにちょうどピッタリ置けるような収納が欲しい場合、置きたい場所の寸法を測定し、そのサイズをもとにデザインを3Dモデリングする。あとは3Dプリンターを起動させるだけ。理想の台所スペースを彩る「箸立て」を作ることだって可能だ。
またオリジナルのフィギュアを作ることも夢ではない。3Dプリンターであれば、細かい造形もでき、部品を分けて組み立てるようにすれば、関節部分が稼働可能なものも作成できてしまう。
夏休みの自由研究にするなら、歴史の勉強とかねて火焰型土器を作るのもいいだろう。粘土で作るには、造形と焼き上げが必要だが、3Dプリンターであればその手間を短縮できる。
3Dプリンターが一般家庭でも使われるようになると、ものづくりのハードルが下がり、誰もがクリエイターになれるのだ。この夏、3Dプリンターを入手してオリジナル作品に挑戦してみてはいかがだろうか。