サメの標本づくりを自室でする光景が話題「勉強机の上でやることじゃない気がしてきました…」

中将 タカノリ 中将 タカノリ

自室でサメの標本づくりをする光景がSNS上で大きな注目を集めている。

「サメの標本作り!!!!!
勉強机の上でやることじゃない気がしてきました… 😱」

とその模様を紹介したのは深海生物と古生物が好きの大学生、Hirokiさん(@Hirokicreature)。

このネズミザメとシュモクザメの頭の標本は、商品価値がなく捨てられてしまっているものを漁師から購入し、新鮮なうちにカッターと解剖用バサミを使って除肉して製作しているのだという。

ギロリとこちらを睨みつけるようなサメのまなざし…その生々しい標本づくりの光景に、SNSユーザー達からは

「目が恨めしそうで怖い…!
血とかの汚れは大丈夫なんだろうか
でも、標本気になる✨」
「ちょっとシチュエーションバグった!机の中異次元に繋がってて頭だしてる感ある!」
「日が経つにつれて飛び散ったアンモニアがエグい匂いになりそう」

など数々の驚きの声が寄せられている。

Hirokiさんにお話を聞いた。

ーーサメの標本作りをされるようになったきっかけをお聞かせください。

Hiroki:私はもともと古生物が大好きで化石を発掘することが趣味でした。サメに興味を持ったきっかけは4年ほど前、高校1年生の夏に、化石を掘りにドイツのゾルンフォーフェンという地域を訪れた際、地元の博物館に展示されていたサメの全身骨格の化石を見たことが始まりです。

それまで私は、サメは軟骨魚類で硬いエナメル質で構成された歯の部分しか化石として残らないと思い込んでいたため、初めて見るサメの全身骨格を目の当たりにして、衝撃が走りました。

そこから私はサメ類(板鰓類)の骨格に興味を持ち、様々なサメを蒐集してサメの骨格標本を作るようになりました。

ーー標本製作にあたってのご苦労やこだわりについてお聞かせください。

Hiroki:サメの骨格は、軟骨という水分が多く含まれている骨格で構成されているため、乾燥させると骨が収縮してしまい、原型を保ったまま標本にすることが非常に難しいという特徴があります。そのため、綺麗な骨格標本を作るために沢山の試行錯誤を繰り返してきました。

最近は比較的綺麗に作れるようになってきましたが、まだまだ失敗することも多く、解決するべき課題が山積みなのが現状です。

私はただ好奇心だけに取り憑かれて標本を作っているわけではありません。私が標本にしているサメは主に漁で混獲されてしまい、水産的価値がなく本来なら捨てられてしまっているものを心優しい漁師さんから購入して使わせて頂いています。また、エゴだと言われるかもしれませんが標本を作る時は、常に命に感謝しながら製作するよう心がけています。

ーー今回の反響へのご感想をお聞かせください。

Hiroki:ここまで沢山の人から反応をいただいて、正直驚きました。普段のTwitterでは標本を作っている人や海洋生物が好きな人と繋がっているため、サメの標本作りの様子を投稿することは日常的でした。

しかし、今回の投稿で様々な方から反応を頂き、改めて命を頂くとはどういうことか?など生き物を標本にすることは果たして是なのか?などいろいろと考えさせられました。

◇ ◇

今後、専門外の人々も巻き込みさまざまな意見が寄せられたHirokiさんの標本づくりだが、これは学問をおさめる上で重要な勉強の一つ。Hirokiさんの学びがいつかなにかの学問的成果に結びつくよう温かい目で見守っていきたいものだ。

Hirokiさん関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/Hirokicreature

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