今もある海外旅行先での「ボッタクリ」 近付いて来る“親切な人”には要注意!? 被害を防ぐ究極の言葉とは

深月 ユリア 深月 ユリア
フランス・ニースの城跡公園にいた白いハト(提供・深月ユリア)
フランス・ニースの城跡公園にいた白いハト(提供・深月ユリア)

 海外旅行先で予期しない金銭を請求されることがある。「被害に遭った」「こちらが先に確認すべきだった」「海外での授業料」「ネタができた」など受け止め方は人それぞれだ。こうした事例から当該国の人たちに対する〝偏見〟を持つようなことがあってはならないが、被害に遭ったと感じたケースに焦点を当て、ジャーナリストの深月ユリア氏が自身を含む体験例を踏まえて、旅行会社に対策を聞いた。

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 「日本人はお人好しでだまされやすい」とは言われるが、海外旅行先で被害に遭うことが度々ある。筆者は5月に渡仏した際、金をだまし取られそうになった。

 小高い丘の上からニースの美しい街と地中海が見渡せる観光名所「城跡公園」の広場には日本にはあまり見られない白い鳩が3羽いた。筆者は友人と一緒に鳩の写真を撮っていた。すると、男性が近付いてきて、鳩を筆者の肩や手の上に乗せてきて、友人はその光景を写真に撮った。しかし、その直後、男性は「20ユーロ(約3400円)くれ」と請求してきた。筆者が「鳩との写真が有料だとは聞いていない」と断っても、しばらく男性は付きまとってきて、無視して広場を去ると男性は諦めた。

 筆者はトルコのイスタンブール経由でニースに渡航し、トランジットの際にボスポラス海峡をクルージングするツアーに参加したが、船の中でトルコの民族衣装を来た男女が客席に近付いてきて、「一緒に写真撮りましょう」と誘ってくるのだが、撮影後に写真1枚につき10ユーロ(約1700円)を請求。筆者は断ったが、何人か写真撮影をしている観光客がいた。

 共通しているのは、写真が有料だとあらかじめ伝えず、後から料金を請求してくるということ。観光地で観光客が〝ボッタクリ〟に遭う例は他にも多い。

 Aさん(30代、イベントコンパニオン)は「ニースの個人運営レストランには現地の人用の通常メニューと観光客用のメニューとがあります。現地用はフランス語で書かれ、英語表記がなく、観光客用は英語表記がありますが、値段が通常の1.5~2倍近い。フランス語が分からない観光客が足元を見られているのかもしれない」と証言した。

 Bさん(40代、女性会社員)は「ポーランドで露店商が並ぶ広場がありましたが、いきなりアクセサリーのブレスレットを勝手に腕に巻き付けてきて『身につけたから買え』と言われた。ブレスレットを戻して、その場を去ると『見るだけなら来るな!』と怒号が飛びました」と振り返った。

 Cさん(50代、主婦)は「インドで民族衣装のサリーを着て写真撮影をする現地ツアーに参加。着方がよく分からずに悪戦苦闘していると、サリーを来たインド人女性が2人で、その着方を手伝ってくれたが、気がついたら財布から日本円の1万円がすられていた。小銭や千円札は盗られておらず、1万円札1枚だけ盗めば気づかないと思ったのでしょうか」と明かした。

 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の担当者に対策を聞くと、「海外では『何かをやってあげる』と近付いてくる人には要注意です。付きまとわれたら、無視するか、言葉が分からないふりをしてください。しつこかったら、『ポリス!』と警察に電話するそぶりを見せたら、諦めると思います」と説明した。

 海外旅行の観光地では「人を見たら泥棒と思え」を肝に銘じるべきなのだろう。

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