小さなウニの赤ちゃんがSNS上で大きな注目を浴びている。
「ちっこいウニいた」
と写真を紹介したのは筑波大学下田臨海実験センターの谷口俊介准教授(@urchin_lab)。
中指の先よりさらに小さい極小サイズの赤ちゃんウニ。磯の石の裏に隠れていたもので、幼生から変態したばかりだそうだ。
普段、ほとんど目にすることのない赤ちゃんウニの可愛い姿に、SNSユーザー達からは
「金平糖サイズですね。かわいすぎる!」
「めっちゃミニw(≧∇≦)b✨」
「真っ黒くろすけ
み〜つけた〜〜〜
欲しい🤣」
など数々のコメントが集まっている。
谷口さんにお話を聞いた。
ーー赤ちゃんウニは石をめくっていくと簡単に見つかるのでしょうか?
谷口:まずはその磯にウニがそもそもいるかいないかが重要です。ウニのいない磯では当然どれだけ探してもいませんが、ウニがいる磯なら石をひっくり返せる力さえあればお子さんでも見つけることができます。ただし、小さな石の裏にはまずいません。大きくて安定した石の方が生き物はたくさんついています。しかし、磯で大きな石をひっくり返すのはちょっと危険なのでおすすめは出来ません。
その他には、ウニはちぎれて流れ着いた海藻などを餌にしています。そのため、海藻のかけらが石の周りにたくさん溜まっていたらウニがいる可能性はあります。
ーー赤ちゃんウニを見かけやすいシーズンはあるのでしょうか?
谷口:一年中見られると思います。今回の写真はムラサキウニだと思われますが、似たような場所にアカウニの子供もいました。ムラサキウニとアカウニは生殖シーズンが違うことと、幼生や稚ウニの成長スピードにはかなり個体差があるため、いろいろなサイズのウニが自然界では一年中見られると思います。
ーー赤ちゃんウニの棘に触れると痛みなどありませんか?
谷口:触るだけなら全然痛くありません。ぎゅっと握ったらおそらく刺さってそれなりに痛いのではと想像します。今回は試していませんが。
ーーこれまでの反響に対する感想をお聞かせください。
谷口:何気ない投稿にこれほど反響があるとはびっくりでした。狙った投稿は全然反響ないのに(笑)。自分自身は仕事柄小さなウニに接しているのですが、確かにみなさんがあまり目にしないサイズのウニなんだということを改めて認識しました。ウニはトゲトゲして痛々しく見えたり、中身の味が気になったりという存在かと思っていましたが、「かわいい」のファクターがあるのだと気づかせてもらえました。
◇◇
谷口さんは今回の赤ちゃんウニが手から磯に帰っていく様子をタイムプラスで撮影。あまり目にすることのないウニの移動もとても可愛らしい。
ウニを食べられないが、ウニ研究を25年ほど続けている谷口さん。今回の投稿の赤ちゃんウニよりもさらに小さなウニの幼生が、卵からどのように体をかたちづくるかという細胞の運命決定の研究や、幼生が外的環境の変化に応答する仕組みに関しても研究をしているそうだ。研究にご興味ある方はぜひ谷口さんのSNSをチェックしていただきたい。
谷口俊介さん関連情報
読者へのメッセージ「鈴木香里武さんが館長を務める静岡県駿東郡清水町の幼魚水族館で稚ウニ展示を手伝わせていただいております。幼魚を窓口に海を身近に感じられる水族館なのでぜひ訪れて下さい」
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鈴木香里武さん関連情報
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