NewJeansの所属事務所であり、BTSやTOMORROW X TOGETHER(トゥモローバイトゥギャザー)らを擁するHYBEの子会社アドア(ADOR)が、独立を試みていたと22日、韓国経済系ニュースなどが報じた。
HYBEはアドアが独立しようとする動きを事前に把握し、即座に監査権を発動。アドアの取締役たちに対して株主総会の招集を要求。さらに、アドアの代表でありNewJeansを生み出したプロデューサーでもあるミン・ヒジン氏に対して、辞任を要求したという。
また、HYBEがアドアに送った経営権奪取の試みに関する監査質問書には、「経営権奪取目的で取得した核心情報の流出」「不適切な外部コンサルティング疑惑」「アーティストの個人情報流出」「不正な人事採用」などが記述されていることも判明した。質問書に関する内容がアドア経営陣の不正を判断する〝パンドラの箱〟とみられている。
アドア経営陣は2024年初頭から、HYBEから経営権を奪取するための計画を立てて水面下で動いていたとみられている。まず「親会社であるHYBEがアドアに不当な要求をしている」という情報を広めて世論を味方につける。その上で、HYBEの保有するアドアの持株を、現アドア経営陣に対して友好的な投資家に売却させる、というのが経営権確保計画の要点だったと伝えられた。
なお、HYBEはアドア株の80%を保有しており、残りの20%をミン氏ら現アドア経営陣が保有している。
ミン氏は、SMエンターテインメント(以下、SM)のクリエーティブディレクター出身で、少女時代やSHINee(シャイニー)、EXO(エクソ)などをプロデュースした人物として知られている。同社を退社後、HYBEでCBO(ブランド責任者)を務め、龍山(ヨンサン)新社屋の空間ブランディングやデザインを担当。以降、2021年11月にHYBE傘下レーベルとしてアドアを設立し、2022年にNewJeansを世に送り出した。
ただ、HYBEの要求のまま、アドアが株主総会を開くかどうかは22日午後7時の時点では未知数だ。株主総会の招集はアドア取締役会の決定が必要であり、ミン氏がそのアドア取締役会を支配しているため、先行きが不透明な部分があるという。ミン氏を除く、アドアの社内取締役2人はSM時代からのビジネスパートナーで、最側近に分類される。
アドア取締役会がHYBEの要求を拒否した場合、これを強制する方法はなく、その場合HYBEは株主総会招集仮処分申請などの、法的処置に出る可能性が高い。裁判所の判断により株主総会が開かれた場合、HYBEが指名した取締役が、アドア取締役会に参加できる道が開かれる。
HYBEは監査質問書とともに、ミン氏の代表辞任を要求する書面を送っているが、ミン氏はこれを拒否しHYBEに対して攻勢に出るだろうと予想されている。