スーパーでサメの頭を買ったお父さんの投稿がSNS上で大きな注目を集めている。
「スーパーにサメの頭が300円で売っていました・・・
わが家の2年生がどうしても欲しいというので買いました。どうすんのこれ?」
と投稿したのは1児の父で生物写真家、日本自然科学写真協会会員の森久拓也@眼遊さん(@ganyujapan)。
頭から胸にかけて切り取られているが、映画『ジョーズ』のような鋭い顔つきのこのサメ。用途はおぼつかないが、好奇心旺盛なお子さんのため購入してしまったという森久さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「やはり兜焼きでは・・・サメでやったら、インパクト抜群の見た目になりそうです。」
「島根県のスーパーでたまに売られていますね、サメ。
一匹丸ごとで売られていることがあります(左の写真)。
一瞬買いたい欲に駆られますが「コレを買ってどうする!?」と抑制が掛かります。」
「『どうすんのこれ?』としつつも買う選択をしたのがステキだなぁと思って引用。
ちなみにマンボウ。普通に流通して食べる地域ですわたしんとこ(肝あえ仕様に身と肝臓をセットにして売ってる)。」
など数々の称賛の声が寄せられている。
森久さんにお話を聞いた。
ーーサメの頭はどちらで購入されたのでしょうか?
森久:島根県出雲市の業務用スーパーで購入しました。家から遠いので、あまり行ったことはないのですが、行くとだいたい珍しい魚介類が売られているので好きなお店です。
実はこの日、小学2年生の息子が片栗粉の団子を作って遊びたいというので、せっかくなら面白い魚があるかもしれないと、2人でこのスーパーへ行ってみました。
ーーお子さんがサメの頭に興味をもたれたきっかけは?
森久:何か面白いものはないかと売り場を見ていると、パック詰めになったサメの頭が2つありました。縦に半分に割られた頭の右側と左側です。価格は300円でした。
息子と2人で「すごいねー」と見て、一旦はその場を立ち去りました。息子は小さな頃からサメが好きだったので、内心、欲しがりそうだな…と思っていましたが、案の定「あのサメの頭ほしい…」と言い出しました。
頭だけで食べる部分も無さそうだし、美味しくなさそうだし、買うのはやめようと説得したのですが、どうしても欲しいという熱意に負けて買うことにしました。
ーーその後、サメの頭はどうされましたか?
森久:まず、支払いが終わってレジ袋に入れようとしたのですが、その時点で臭い事に気付いてしまいました。
家に帰り、パックから出すとものすごい臭い。息子は鼻を押さえて臭い!と言って近づこうとさえしませんでした。自分が欲しいって言ったのに!という気持ちも込めてXに「これどうすんの?」と呟いてしまいました。
少し臭いに慣れてきて、息子もサメを触って観察して、今度は食べてみたいと言い出しました。
サメが好きな人には失礼ですが、耐え難い悪臭を放っており、これを食べるのは相当勇気が必要だと思いました。まあでもせっかくなので食べてみようと、肉を切り出してみました。水でよく洗いましたが、肉そのものもまだ臭いがあったため、にんにく、生姜、醤油で作ったタレに浸して、片栗粉をまぶして唐揚げにしてみました。
ーー味わいはいかがでしたか?
森久:恐る恐る口に入れたのですが、それがあまりにもおいしくてびっくりしてしまいました。例えるなら鳥の胸肉をフワフワにした様な感じです。美味しすぎてすぐに食べ終えてしまいました。胸鰭はフカヒレの姿煮を作ってみようと、現在乾燥中です。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
森久:自分だったら子供に買ってあげられないだろうなという親御さんからの称賛が多くてとても嬉しかったです。
また、サメを食べることの多い地域の方から、サメは美味しいんだよというお話も多く、それも嬉しかったです。
◇ ◇
サメを見て、匂いをかいで、食べて味わう…森久さんのおかげで、お子さんは大きな満足と学びを得たに違いない。未知のものに触れたいという子供の探求心、大切にしてゆきたいものだ。
森久拓也さんXアカウント「眼遊GANYU」:https://x.com/ganyujapan