歌手で俳優としても活躍する吉川晃司(58)が、今年1月に「外傷性白内障」で、両目に人工の水晶体(レンズ)を移植する手術を受けていたことが26日、分かった。術後の経過は順調だが、移植したレンズの保護のため医師からは激しい運動を止められており、ライブでの名物・シンバルキックや俳優業のアクションなど、今後の活動への影響もあるという。デイリースポーツの取材に応じた吉川は「できることを新しく考えます」と前向きに語った。
「激しい衝撃には注意してください」。吉川は、医師からキツく忠告されたことを明かした。
「外傷性白内障」は、老化による「加齢性白内障」とは異なり、主に目への外的圧力などで発症し急激な視力低下をきたす。ボクサーや格闘家に多い病気だ。後々症状が出るケースもあり、吉川も「直接の原因はわからない」という。
吉川によると、昨年9月、日本武道館公演の終了後にライブ映像を確認すると、終始右目が開いていない状態だった。心配になり、2008年公開の映画「チーム・バチスタの栄光」で、演技指導を受けた心臓外科の権威である医師に相談。白内障の手術では数々の最新技術を編み出すなど、世界最高峰の医師として知られる日本橋白内障クリニック・赤星隆幸氏を紹介され、診察を受けると左右とも「外傷性白内障」で人工のレンズを移植する手術が必要と診断された。
手術後は1カ月の安静が必要のためスケジュールを調整し、ようやく1月23日に手術を受けた。この間症状は急速に進行し、視力は左が1・5から0・9に。症状があった右目は1・2から0・1以下に低下し、最後は「視界にシャワーカーテンがある状態。何も見えなかった」と、日常生活にも影響が出たという。
手術は無事成功し、視力は両目とも1・2に回復。術後の経過は順調だが、症状がなかった左目が右目より深刻な状態であることが判明した。レンズを支える周囲の筋肉が何カ所か損傷しており、震動や衝撃でレンズが外れて目の奥に落ちると、日本で数人しかできない手術が必要で、最悪失明の可能性もあるという。そのため、今後は激しい運動には注意するよう、医師から通告された。