国民民主党は26日、柿沢未途被告の議員辞職に伴う衆院東京15区補選(江東区、4月28日投開票)に公認候補として擁立を発表していた高橋茉莉氏(27)の公認を25日に取り消したことを報告。国会内で浜野喜史選対委員長(63)、川合孝典東京都連選対委員長(60)が会見を開き、経緯を説明した。
23日までに高橋氏から数回聞き取り調査を行い、25日夜の両院議員総会で、公認取り消しを正式決定した。浜野氏は「東京都連より、本人に聞き取り調査を行ったところ、本人が発言した過去の行為の中に、党として看過できない、法令違反に該当する可能性がある行為があったため、(都連から)公認内定取り消しを行いたいとの申請があった」と述べた。
法令違反が具体的に何を指すのか、記者団から問われた浜野氏は「(高橋氏は)私人になられたので。私どもは私人としてこれまでの行為に対しては申し上げるべきではないというのが我々の判断。本人のプライバシーに関わることなので、お答えを控えさせていただきたい」などと繰り返し、高橋氏のプライバシー保護を盾に明らかにしなかった。
高橋氏は25日未明、SNSで党から立候補を断念するよう迫られたとし「理由は、ラウンジで働いていた過去があるからです」と投稿。インスタライブでも「一時期生活保護を受け、お金に困っていた時期があります。その時期に、ラウンジという夜のお店で、一生懸命働きました。私のこのような過去や、自身のセクシャリティー、生い立ち、不安に…ご相談した上、体調不良を理由に、辞退しろと指示を受けました」と語った。
川合氏は「(公認候補者)内定後にさまざまな仕事を経験されたということも把握していた。そのことは胸を張って説明すればいいと。大事なことは、法に抵触している行為があるかないかの1点だけ。職業を理由に候補者を断念しろと言ったことはただの一度もありません」と、ラウンジ勤務の経歴が理由ではないと強調した。
ネット上では、高橋氏が生活保護を受けながらラウンジ勤務をしていたことの是非を問う声があり、同氏はXで「生活保護を受給しながら、ラウンジ勤務をしていたというのは、事実と異なります」と釈明した。
川合氏は「我々が聞き取りしている情報の中で、そういう話は出てきませんでした。生活保護の話と、ラウンジの話は(公認候補者取り消しと)つながらない」と重ねて否定。同日未明からの高橋氏のSNS投稿は「まだ議論している最中に、ああいう形でインスタライブをされたことに、理由がわからない」と戸惑い、公認取り消しの判断材料にはならなかったとした。
浜野氏は、衆院東京15区補選への候補者擁立が白紙になったとして「(身体検査が甘いという)批判は受けざるを得ない。反省をした上で、しっかりと審査をして、擁立をしていくということを心がけていきたい」と弁明。川合氏も「何よりも(東京)15区の都民、有権者の方々にご迷惑をおかけしたことは心からおわび申し上げなければならない」と謝罪した。