全日本プロレスの後楽園ホール大会が20日に行われ、メーンの三冠ヘビー級選手権は中嶋勝彦が挑戦者の斉藤ジュンを18分11秒、ノーザンライトボムからの片エビ固めで3カウントを奪い、第71代王者がV4防衛に成功。「闘魂スタイル」に代わる「××(バツバツ)スタイル」をぶち上げた。
入場時に客席からは失笑が漏れた。故・アントニオ猪木さん側から警告を受けた「闘魂スタイル」のガウンを継続使用も、「闘魂」の2文字を×マークで隠して登場。ジュンのパワー殺法に苦しむも、最後はチョークスラムを狙う相手を掌底で止め、北斗ボムで退けた。
中嶋はリング上で「オレの××スタイルを思い切りぶつけられた」とジュンの奮闘をたたえた。そして「明るく楽しく激しい全日本プロレスさんよ。元気が足りねえよ!元気にバカに戦う××スタイルの中嶋勝彦が三冠ベルトを持っている。いつ何時も全日本プロレスの挑戦を受けてやる」と、猪木さんの明言をほうふつさせる文言を用いて「××スタイル」を掲げた。
次期挑戦者には諏訪魔の登場を求めたが、安齊勇馬が登場。中嶋は「諏訪魔と2対1でもいいぞ。オレの首をかっ切ってみろ」と応じ、次期挑戦者が決定的となった。
22年10月に79歳で死去した猪木さん。猪木さんの肖像権などを管理する「猪木元気工場(IGF)」は今年1月30日付で、中嶋が昨年から公言してきた「闘魂スタイル」を無断で使用しているとして、弁護士を通じて本人と全日本プロレスに使用停止を求める「警告書」を送付。今月15日には警告書の実物と、その見解を報道各社に送付。中嶋は既に「警告書」を受けて、会見の席上で謝罪していた。
中嶋は「××スタイル」を掲げた理由を「使っちゃいけないとうから×をつけた」と極めてシンプルに説明。「全日本で元気にバカに戦う。××スタイルの中嶋が、いつ何時でも全日本プロレスの挑戦を受ける」とリング上の声明を繰り返した。