ある中国人哲学者の脳が未来の研究に向けて凍結されている。李沢厚は遺言の中で、自分の脳を500年に渡り保存し、その後解凍、研究に役立てて欲しいとしていた。
2021年11月、米コロラド州での亡命中に91歳で死去した沢厚、1954年に北京大学の哲学科を卒業し世界中の学術機関で仕事をした中国史、文化の中の著名な学者で、その著作は1980年代の中国の改革開放の時代の一翼を担っていた。
沢厚の友人で著作本の編集者でもあったマ・クンリン氏によると、遺族らは非営利団体アルコー・ライフ・エクステンション・ファウンデーションにより本人が亡くなったその日に、脳を冷凍装置に入れたそうだ。
沢厚は生前、将来自身の脳が研究されることで、自分の沈降理論が証明されることを願っていたとされている。
ジャーナル・オブ・チャイニーズ・フィロソフィーによると、この理論は人間の特性を物理的及び認知的ツールの使用を通して説明するもので、美的感覚に基づいた文化、超生物への見通しに繋がるものだという。
2010年、沢厚は中国のサザン・ピープル・ウィークリーのインタビューでこう語っていた。「碑文はないが、私の脳は凍結されるだろう。300年か500年後に取り出される」「妻と子供には言ってある。この方法で蘇りたい人もいるようだが、生き返るのが可能だとは思っていない」「私は文化がその脳に影響を与えるのかを証明したい。数百年が経って、自分の脳内に中国文化の残骸を見つけることが可能なのか、私の沈降理論を証明するためにするのだ」