AI搭載で補聴器が超進化 Bluetoothで音楽や翻訳、文字起こし機能も

杉田 康人 杉田 康人
Genesis AI
Genesis AI

 補聴器メーカーのスターキージャパン(横浜市)が、業界で最も先進的な半導体プロセッサーと人工知能(AI)を搭載した「Genesis AI(ジェネシスエーアイ)」を26日から販売開始するのに先立ち、このほど横浜市内で発表会を開いた。

 同社の西村啓司代表取締役社長は「進化したAIを搭載することで、人間の聴覚を模倣した音質で聞こえる世界を再現。従来製品に比べ音質、機能、操作性、信頼性すべてにおいて進化した、まさにAll New Everythingな補聴器になっています。より良い聞こえをより多くの人々にと提供する所存です」と話した。

 開発担当者は「神経科学で示されているように、私たちは耳だけではなく脳で聞いています。実際に、難聴ということは耳が聞こえなくなることで音が聞こえなくなるのですが、それは脳が認知しないことが本当の音が聞こえない原因となります。健常者の脳は音を拡張することなどを自身で行えますが、実際に難聴になると音信号が脳に届かなくなり、聞こえなくなります」と説明した。

 ジェネシスエーアイは、従来の補聴器に比べてトランジスタを6倍、スピードは4倍で処理を行うとして「業界初で、ディープニューラルネットワークを搭載。これは普段健常者が行っている脳の役割を行ってくれます。この大幅なAIの進化に伴いプロフェッサーメモリは5倍、システムメモリは10倍にしております。1時間あたり自動で8000万回、音声の自動調整を行います」(開発担当者)と、補聴器業界ではかつてなかった飛躍だとした。

 ゲストとして登壇したフリーアナウンサーの相沢志野は「補聴器に今話題のAIが搭載されていて、翻訳もされていた。補聴器というものは小さい音を大きくしてくれるものだと思っていた。こんなに進化しているんだ」と驚きを隠せなかった。

 実際に装着した相沢は「私はアナウンサーの仕事でイヤホンをつけているのですが、それと比べるとフィット感が全然違います。重さもないですし、つけた感じがほぼ無いです」と感嘆。騒音など聞き取りが困難な環境でのオンデマンドAI調整機能も体験し「雑音騒音の音が小さくなりました。それも変な感じでは無く、本当に自然な感覚ですね」と感想を述べた。

 西村氏は「他にもBluetoothで音楽を聴いたり、翻訳や文字起こし、健康関連のモニタリングやユーザーの見守り機能などもある」と、さまざまな機能を紹介した。

 生まれつき耳が聞こえないユーチューバーの難聴うさぎさんも登場。「スターキーの補聴器はすべての音がクリアに聞こえて、耳が聞こえない私にとって、出会った時は夢がかなった瞬間でした。私は音楽が好きですが、イヤホンをつけるとこもって聞こえてしまうのでガンガンに音のボリュームを大きくしていた。この補聴器だとBluetooth機能がついていて、とても聞こえやすく音漏れもしないので本当に感動してしまいました」とコメントを寄せた。

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