「イギリス人は傘をささない」ってホント? 識者に聞いた意外な理由、知られざる習慣も 現地で調査

近藤 リナ 近藤 リナ

イギリスあるあるとして有名な「イギリス人は傘をささない」

2022年からイギリス在住の筆者だが、たしかに現地では雨が降っても人々はさっとフードを被ってそのまま外を歩き続けている。雨が降ったからといって傘をさす人は本当にごくわずかなのだ。

なぜ人々は傘をささないのか?

オックスフォード大学日本学科を卒業し、日本での留学経験もあるイギリス人のHannah Kentridge (ハナ・ケントリッジ)さんにお話を聞いた。

ーーイギリス人はなぜ傘をあまり使わないのですか?

Hannah:イギリスの雨は強い風と共に降るので、傘が逆さまになりやすいです。そのため傘をさすことが難しいのだと思います。また、個人的に傘を持ち歩くのが面倒くさいのが正直なところです。雨が強く降る時は外に出るのを控えたり、雨が止むのを待ちます。それか傘を使わずにフードのある厚いジャケットやコートを着て、外へ出ます。

ーー典型的なイギリス紳士は傘を持っているイメージもありましたが、、

Hannah:ボウラーハットを被る人はもう全くいませんし、傘を持つ人も滅多にいません。傘はもはや古いイメージがあるという証拠かもしれませんね。今はもうイギリスの若者たちに傘文化はないのです。

ーー日本とイギリスの雨の降り方に違いはありますか?

Hannah:日本の雨は強すぎて、フード付きのアウターを着てもさすがに濡れます。イギリスは雨がよく降る国ですが、台風などで経験するような非常に強い雨は滅多に降りません。日本の強く降り続く雨を経験した時に、傘を使う理由が分かりました。

ーー日本ではHannahさんも傘を使われていたんですね。

Hannah:日本に住んでいた時は傘をよく忘れ、いつもコンビニにお世話になりました。コンビニがどこでもあり、雨が降り出したら安い傘をすぐ購入することができました。また、傘を差し込むと自動でビニールをかけてくれる機械やどこに行っても傘を置く場所があることに私は驚きました。イギリスではとても豪華なオフィスやホテルでしか見たことがなかったです。

面白かったのが、日本は安全で治安の良い国なのに、なぜか傘だけはよく盗まれることです。私も傘を盗まれたことがありました。イギリスでは傘を置く場所がないので、逆に盗まれません。

ーーイギリスでは「傘を家の中で広げると不幸が起きるという迷信がある」と聞いたことがあるのですが、本当ですか?

Hannah:本当です。日本に住んでいた時に、傘が寮の廊下で乾かされているのを見た時は少しびっくりしました。私自身は特に迷信は信じていませんが、ほとんどのイギリス人は傘を開いたまま家の中まで持ち込まず、玄関などで乾かします。

◇◇

筆者もイギリスの強風まじりの雨を経験し、ひっくり返る傘と格闘することを早々に諦めた。今では雨が降ってももっぱらフード付きのアウターを羽織るだけだ。

なお、今回協力してくれたHannahさんはSNSやYouTube上で日本語でイギリス生活、日本語の勉強について発信している。最近はYouTubeチャンネルを更新していないが、またこれから復活させようと計画中だそうなので、気になる方は是非チェックしていただきたい。

Hannah Kentridgeさんの関連情報

Xアカウント:https://x.com/misshanake

Youtubチャンネル「MissHanake」:https://www.youtube.com/@MissHanake/videos

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