GUCCI、ローマ→ミラノ移転計画に従業員がストライキ 約50人が移転は「偽装大量解雇」と主張

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 フランスに本社を置くラグジュアリー・グループのケリング社が所有する「グッチ(GUCCI)」が、デザインスタジオチームの大部分をローマからミラノに移転する計画を決めたところ、多くの従業員が抗議し、ついにストライキを行う事態となった。

 グッチは、10月に219人のデザイン従業員のうち153人をイタリアの首都から380マイル(約610キロ)離れたロンバルディア州のミラノに移すと発表。これを受け従業員たちは11月27日に4時間のストライキを行った。ファッション業界大手であるグッチは102年の歴史を誇るが、クリエイティブな専門家たちによる初の労働争議行為が発生してしまった。

 イタリアでストライキを行った従業員約50人は、この移転を「偽装大量解雇」と非難。また、ローマのオフィス前では抗議者たちが「グッチは裁断はするが縫製はしない」「グッチでは解雇がファッショナブル」などと書かれた横断幕を掲げ抗議した。

 ラツィオ地方、Filctem-Cgil組合の地域書記フェデリカ・リッチ氏は、英ガーディアン紙にこう語っている。 「私たちにとってこれは、集団解雇です。全員が移籍できる条件を提示されたわけではなく、多くの人が職を失うことになるのです」

 また組合代表のキアラ・ジャンノッティ氏は、ローマのデザインオフィスはグッチの核であり、デザイナーやクチュリエが働き、すべてのコレクションが生まれる場所だと語り、ケリング社がリストラとしてスタッフの数を減らし、満足のいかない条件を提示された従業員や、家庭の事情でローマを離れられない従業員を追い出していると主張した。

 すべての従業員が数カ月以内に別の都市に引っ越せるわけではなく、特に子供がいる従業員や片親の従業員は他に選択肢がないまま取り残される危険性があり、労働組合は、ローマに残ると予想される他の66人の従業員の運命も不透明であるとして、会社の決定を再考するよう要求している。

 一方、グッチ側は、今回の移転は「人員削減を想定したもの」ではなく、「現行の規則を完全に遵守して実施する」と話している。また、同社はこれによって影響を受ける従業員に対して経済的支援策も提供したと付け加えていた。

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